ショパンの国の民族舞曲・マズルカとポロネーズ~名作漫画「ピアノの森」を読んで
「ショパンに憧れて…ポーランドに留学してくる日本人でもなかなかつかめないのに…留学もしていないイチノセに何故こんなマズルカが弾けるのだ!!?」(『森へ!!!』ピアノの森 第19巻・第169話)
いよいよマズルカとポロネーズが含まれたショパンコンクールの二次審査です。
予想に反して一ノ瀬海の演奏は観客や審査員に大きな衝撃を与えます。
ショパンというとまず「ピアノの詩人」、そして「ポーランドの民族舞曲のマズルカとポロネーズを芸術的に高めた」という解説が良く目に触れます。
マズルカはポーランドの農民の間で親しまれた踊りで、マズル・クヤヴィアク・オベレクという3種類の民族舞曲の組み合わせで成り立っています。
遠く離れた故郷を思いながら、ショパンが生涯で最もたくさん作曲したのがこのマズルカだったのです。
ワルツのような3拍子ですが、なかなか一筋縄では行かないリズムで、ショパンの中では最も弾くのに勇気がいる曲ではないでしょうか?
少なくとも私には敷居が高いマズルカです。
もし私が弾くことになってしまったら、民族舞曲のステップを体験するところから始めないといけないような気がします。
もう一つのポロネーズは、元々ポーランドの貴族の民族舞曲でした。
ポロネーズのリズムに乗せた堂々とした格調高い音楽が特徴です。
この二次予選で、雨宮修平はショパンの最高傑作の一つと言われる「第7番 幻想ポロネーズ」を選曲しました。
そしてウェイ・パンは悲劇的で抜群の演奏技巧を要する「ポロネーズ第5番」。
これらはいかにも彼らが弾きそうで、見事な選曲だと思います。
一ノ瀬海はあえての超有名な「第6番 英雄ポロネーズ」でしたが、「第7番 幻想ポロネーズ」でも「ポロネーズ第5番」でも、おそらく彼独自の解釈のポロネーズで魅了したに違いありません。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。