はじめに
このページにたどりついたあなたは、ピアノ教室に通う際のハードル(障壁)に思い悩んだのではないでしょうか?
「お月謝を払うのがもったいない」「金銭的な余裕がない」といった経済的なハードル。
「決まった時間にレッスンに通えるかどうか不安」といった時間的なハードル。
「今さらレッスンで叱られるのは嫌だ」「恥ずかしい」「ピアノの先生との相性が心配」といった精神的なハードル。
ピアノを独学しようと考える方は、年々増えている印象です。
特にコロナ禍において、その流れは加速したように感じます。
このページでは、ピアノ教室に通わずにピアノを独学しようと考える方に向けて、独学のノウハウと注意点を解説しています。
これからピアノを独学しようと思っている方や現在独学中の方は、ぜひ参考にしてください。
大人になってからでもピアノをはじめられるの?
ピアノ講師をしていると
「私はもうXX歳なのですが、大人になってからピアノを始めるのは遅いでしょうか?」
という質問をよく耳にします。
音楽の道に進み、指導者や演奏家になるためには、3〜4歳頃から良い指導者・楽器が必要だというのは否定できません。
しかし、趣味で好きな曲を弾くのであれば、大人から始めたとしても、必ず弾けるようになります。
ピアノは何歳から始めても指が動かないということはないし、実際に現役を引退された方がピアノを始められるケースも年々増えています。
脳トレにも大変有効です。
ピアノを始めるのに年齢は関係ありません。
ピアノは独学でも上達するの?
ピアノは独学で取り組むことも可能です。
ただし、間違った方法で独学してしまうと、いつまで経っても上達せずに、やがてピアノに飽きて、弾くことをやめてしまうでしょう。
逆に、独学の方法を間違わなければ、あなたのピアノは着実に上達します。
努力し続けることができれば、いつしか自分で楽譜を読み、自分で演奏できるようになります。
好きな曲を思ったように演奏できるのは、とても気持ちが良いです。
Pianeys(ぴあにーず)も全力でサポートさせていただきます。
早速、ピアノを独学するために知っておいていただきたいことをお話します。
楽器を選ぼう!アコースティックピアノを選びたいが…
鍵盤楽器は電子ピアノ(キーボードも含む)とアコースティックピアノの2つに分けられます。
オススメしたいのは、アコースティックピアノ。
アコースティックピアノは弾く人や弾き方によって音色が変わります。
例えば、汚い音・美しい音・柔らかい音・硬い音など、様々な音が出せます。
一方で、弾き方が悪いと音にさえならなかったりします。
アコースティックピアノは電子ピアノと比べて、音色に飽きが来ず、豊かな音楽性を育てる楽器だといえます。
とはいえ、環境や経済的理由で電子ピアノを選ばれる方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、次の3点に注意してください。
- 88鍵盤であること
- 足のペダルがあること
- 鍵盤の幅がアコースティックピアノと同じであること
また、電子ピアノを選ぶ場合は、音色よりもタッチを重視してください。
どんなタッチが良いかというと、アコースティックピアノに近いタッチが良いです。
したがって、電子ピアノを選ばれる際にも、アコースティックピアノを試弾することをオススメします。
アコースティックピアノには、鍵盤の途中で何かに触れて止まる感覚が一瞬あります。
このような感覚が持てる、木製鍵盤の電子ピアノがベストです。
アコースティックピアノには、アップライトピアノとグランドピアノがあります。
この二つは大きさだけではなく、別の楽器と言ってしまっても過言ではありません。
音大進学など、本格的に専門家を目指す場合を除けば、アップライトピアノで十分でしょう。
別の記事で、電子ピアノとアコースティックピアノの違いや、アコースティックピアノの中でもアップライトピアノとグランドピアノの違いをまとめています。
詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
楽譜を選ぼう!初心者はまず初歩的な楽譜を
初心者向けの楽譜といえばバイエルという時代がありました。
今でもそう思われている方が多くいらっしゃると思います。
確かに長所はたくさんありますが、バイエルには次のような短所もあります。
- ト音記号が普通であると錯覚させる
- ハ長調が普通であると錯覚させる
- 左手が伴奏であると錯覚させる
もしこれから楽譜を購入されるのであれば、「中央のド」を中心として、ト音記号とヘ音記号を同時に覚えられる楽譜を使う方が合理的です。
加えて、「大人の独学」であることにフォーカスすると、
- 「中央のド」を中心として、ト音記号とヘ音記号を同時に覚えられること
- 新しい音符や記号が出てきたらその都度説明があること
- 曲の背景や作曲者についての解説があり、音楽の知識が得られること
- リーズナブルであること(大人には大きな挿絵は必要なし!)
これらのポイントを満たすような楽譜が望ましいでしょう。
Pianeysは次の楽譜をオススメします。
- トンプソン 現代ピアノ教本
- リラ・フレッチャー・ピアノコース
なお、Pianeysではピアノ初心者の独学に徹底的にコミットすべく、上記の教本を使った独学サポートプログラムを用意しています。
初心者用の楽譜をまるまる1冊仕上げたい方は、こちらから詳細をご確認ください。
また、ピアノを独学するのにオススメの楽譜についてさらに詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
ポピュラーピアノに興味のある方はピアノ練習アプリを取り入れるのもオススメです。
コード進行や即興演奏についても学べます。
Pianeysではピアノ練習アプリflowkeyを使い、多くの演奏動画を公開しています。
flowkeyに興味のある方は以下をご覧ください。
また、様々なピアノ練習アプリを比較した記事も用意しました。
「ピアノ練習アプリでの独学に興味はあるけど、どのアプリを使ったら良いのかわからない」
そんな悩みをお持ちの方は、次の記事をご覧ください。
しばらく練習をしていると、「もっと速く弾きたい」「もっと大きな音が出せるようになりたい」「音の粒を揃えたい」などの欲求が出てきます。
その際には、基礎練習の楽譜を練習に取り入れてください。
代表的なものは次の3つです。
- ハノンピアノ教本
- バーナム ピアノ テクニック
- ピアノのテクニック
ツェルニーも良い教材ですが、譜読みと仕上げに時間がかかるため、独学の方は必ずしも取り入れなくても良いと思います。
特にオススメはハノン。
(画像をクリックするとAmazonへ移動します)
初心者の方には少し難しいですが、ゆくゆくは必ず手元に置いておきたい楽譜です。
一刻も早く始めたいという方には、初心者の方や子供向けに校訂されたハノンの短縮版「やさしいハノン」もあります。
(画像をクリックするとAmazonへ移動します)
さて、「トンプソン 現代ピアノ教本」や「リラ・フレッチャー ピアノコース」など、初心者用の楽譜が2~3冊程度終わったら、かなりピアノについての知識が付いてきているでしょう。
色々な曲に挑戦できるようになり、新しい曲にチャレンジする楽しみを感じられているはずです。
初心者用の楽譜の卒業後、次に弾く曲は、自分の弾きたいものを中心に選ぶと良いです。
とはいえ、難易度が高すぎる曲を選ぶと挫折する可能性も高くなってしまいます。
初心者から初級に入ったくらいの大人の方が無理なくチャレンジできる曲をいくつかピックアップしていますので、次の曲を探しておられる場合はこちらを参考にしてください。
フォームに注意!正しい姿勢と指の形
ピアノ教室では、余計な力が入っていると先生が注意してくれます。
しかし、独学では注意してくれる人は誰もいません。
- ピアノを弾く良い姿勢
- 椅子の座り方
- 健全な指の形
については、自分自身で気をつけなければなりません。
ピアノを弾くとき、身体の力は基本的に抜いて楽にしますが、丹田(おへその少し下あたり)だけは少し力を入れます。
丹田を意識すると他のところの無駄な力が抜けるので、良い姿勢になりやすいです。
椅子の高さの基本は、肘の角度がほぼ90度になる位置です。
それを基準にして、自分の弾きやすい高さに合わせます。
また、指のスポーツとも言われるピアノでは、指の形がとても大切です。
水泳や陸上と同じように、ピアノを弾くときも、無駄な動きがないのが美しいフォームです。
プロのピアニストで指を伸ばし気味にして弾かれる方もいらっしゃいますが、基礎ができてからの演奏法です。
ピアノを独学される方においては、真似しないほうが良いでしょう。
指使いをキッチリと!楽譜は全部読む
特にクラシックピアノに取り組む場合は、楽譜を読まずに動画を見て真似をするとか、耳で覚えて弾くというのは、あまりオススメできません。
楽譜には色々な情報や作曲家の思いが詰まっています。
それを解釈することもピアノの勉強であり、曲への愛着も一層わきます。
愛着がわいて、曲のことが好きになればなるほど、練習のモチベーションはあがり、上達が早くなります。
したがって、ピアノを弾けるようになるためには、楽譜を読む力(読譜力)が必要になります。
よくある間違った譜読みとしては、次のようなものが挙げられます。
- 親指が「ド」、人差し指が「レ」というふうに指番号で弾く
- 楽譜に「ドレミ」と階名を書く
こういうことをしていると譜読みが遅くなってしまいます。
慣れないうちは面倒ではありますが、「中央のド」など、自分が確実にわかる音符から数えるのが一番正しい楽譜の読み方です。
そのうちにどんな音符でも数えなくても見ただけで瞬時に理解できるようになります。
言語の習得と同じように考えてください。
加えて、指使いを守って練習することが重要です。
初心者のうちから指使いを守る人は進みが速いです。
誤った指使いをしていると、どこかで音が切れてしまったり、後で弾きにくくなったりします。
一旦覚えてしまった指使いは、なかなか変えることができないため要注意です。
また、切れた音をつなげるためにペダルを使うのは、いかにも素人的で音楽的にも良くありません。
根本的な問題である指使いと向き合いましょう。
また、曲が進むにつれ、指使いは一々楽譜に明記されなくなってしまいます。
つまり、初心者の段階を逃してしまうと、正しい指使いを学ぶのが難しくなります。
初心者のうちに、指使いのパターンを覚えていくのが上達への近道です。
ピアノ教室でレッスンを受けていると、先生が指使いを考えてくれたり、ヒントをくれたりするのですが、独学の場合は自分で考えないといけません。
もし指使いに悩んだり困ったりする場合はPianeysにご相談ください。
わからないまま放置して適当に練習してしまうと、後悔することになります。
前述した独学サポート特別プログラムは楽譜をまるまる1冊仕上げることを目的にしていますが、Pianeysでは単発のLINEレッスンもご提供しています。
最短当日、LINEで動画を送るだけでレッスンが受けられるので、指使いがわからないときはぜひご利用をご検討ください。
仕上げが肝心!演奏に合格を出す基準
独学で一番ネックになるのが曲の仕上がりです。
独学ではどの時点で曲を合格にするかは自分のさじ加減だからです。
ピアノは、音符を正確に読めてノーミスで弾けることがゴールではありません。
特にピアノ教室で大人の方をレッスンする際には、ミスなく弾けるようになったあと、さらに曲の背景などを交えながら感情表現などの指導をして、ワンランク上の演奏を目指します。
独学の場合、この辺りをどのように自分で進めていくかが大きな課題になります。
自分で自分の合否を判定する際には、次のチェックポイントを意識してください。
- メロディーとその他の音のバランスは良いか
- フレーズの始まりと終わりを意識できているか
- 強弱や緩急があり、曲として魅力的か
- 内声が聴き取れているか
- 一番大事な音を見つけられているか
これだけでは十分にイメージできないかと思うので、それぞれを関連記事内で詳しく解説しています。
興味のある方はこちらをどうぞ。
そして、時には自分の演奏を録音したり録画したりしてみましょう。
それをYouTube上の他の方の演奏と比べてみてください。
もしくは、プロのピアニストのCDを聴くなどして、自分の演奏には何が足りないのか?を自分なりに考えてみてください。
客観的に自分の演奏を判断する力が身につけば、必ず独学は上手くいきます。
まとめ
ピアノは独学で取り組むことが可能です。
ただし、間違った方法で独学してしまうと、いつまで経っても上達せずに、やがてピアノに飽きて、弾くことをやめてしまうでしょう。
逆に、独学の方法を間違わなければ、あなたのピアノは着実に上達します。
努力し続けることができれば、いつしか自分で楽譜を読み、自分で演奏できるようになるでしょう。
好きな曲を思ったように演奏できるのは、とても気持ちが良いですよ。
もしあなたが独学を始めるのであれば、
- 選んだ楽器に問題はないか?
- 楽譜は独学に適しているか?
- 基礎練習は取り入れられているか?
- きれいなフォームで演奏できているか?
- 間違った指使いのまま練習していないか?
- 自分の演奏を客観的に評価できているか?
と向き合いながら進めてください。
もしご希望があれば、Pianeys(ぴあにーず)もあなたの独学を全力でサポートさせていただきます。
独学サポート特別プログラムの「トンプソンコース」や「リラ・フレッチャーコース」では、初心者の独学に徹底的にコミットします。
体験いただいた方からは、自分のペースで進められる点など、好評をいただきました。
ピアノ未経験の方が独学に自分ひとりだけで取り組むのは不安だと思います。
- 楽譜通りに正しく弾けているのか?
- 指使いに問題はないか?
- 弾くときの姿勢、指の形、椅子の座り方は?
- メロディーとその他の音のバランスは良いか?
- フレーズの始まりと終わりを意識できているか?
- 強弱や緩急があり、曲として魅力的か?
- 内声が聴き取れているか?
- 一番大事な音を見つけられているか?
独学で気をつけたいこれらのことは、すべてPianeysがチェックさせていただきます。
ピアノの独学で不安なことやわからないことは、丸投げしてください。
くどいようですが、独学においては特に、初心者のうちが肝心です。
「1曲単位で見てほしい!」という方はPianeysのピアノLINEレッスンがオススメです。
最短当日、レッスンさせていただきます。
皆様のピアノライフを心から応援しております。
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