ハノンとは?
ハノンとは、フランスのハノン(オルガニスト兼ピアノ教授・1820年~1900年)が作ったピアノ教本です。
正式名称はピアノの名手になる60の練習曲。
テクニックの向上やウォーミング・アップに適した練習曲集です。
ここでは全訳ハノンピアノ教本(全音)を使って説明します。
おすすめ練習法
各曲の練習の際に、「リズム変奏」や「移調奏」で弾きましょう。
無駄な力を抜き音の粒を揃えるために、リズム変奏はとても良い練習法です。このページでは楽譜『全訳ハノンピアノ教本(全音)』の最初の方にある「1番の変奏の例」を参考にして演奏しています。
ここで扱うハノンは、白鍵の練習曲です。しかし実際には黒鍵も使う曲がほとんどです。移調することによって黒鍵も弾くことになり、指と指の開き方も変わってきます。このページではト長調、ヘ長調、嬰ハ長調を演奏していますが、他の調にもトライしてみてください。また、移調した上でリズム変奏も取り入れるとより効果的です。
ハノン第1番・練習メニュー
ハノン第1番は4-5間を広げながら各指をすばやく動かす練習です。
ハノン第1番をリズム変奏、移調奏、スピード演奏で練習することにより、ただ弾くだけよりもその効果を数倍引き上げられます。
これらの練習は1日に全部をする必要はありません。
どれか一つだけでも効果はあります。
リズム変奏は速く弾いてもあまり効果はないので、ゆっくりと大きな音で手首を柔らかくして弾きましょう。
参考動画の速さよりも、もっとゆっくりでもOKです。
また、指使いを守らないと目的がずれてしまうので必ず守ってください。
各曲の練習目的
ハノンは各曲ごとに練習の目的があります。
目的を意識して練習することで、練習の効果は高まります。
ただ何となく弾くのではなく、目的を持って練習しましょう!
下記は各曲の練習目的一覧です。
なお、数字は指番号を表しています。
- 第1番
- 4-5間を広げる。各指をすばやく動かす
- 第2番
- 4を強化し、3,4を独立させる
- 第3番
- 2-3-4の音の粒を揃える
- 第4番
- 5-4、5-3の音の粒を揃える
- 第5番
- 5-4でのトリルを上達させる
- 第6番
- 5を他の指と同じように強くする
- 第7番
- 3-4-5を意識して各指を独立させる
- 第8番
- 全ての指を独立させ、音の粒を揃える
- 第9番
- 4-5間を広げる。5本の指を独立させる
- 第10番
- 4-3でのトリルを上達させる
- 第11番
- 4,5を鍛えて5-4でのトリルを上達させる
- 第12番
- 1-5間を広げる。4,5を強化する
- 第13番
- 3-4-5の音の粒を揃える
- 第14番
- 3,4を鍛えて4-3を3-2と同じように動かす
- 第15番
- 1-2間を広げる。各指を強くすばやく動かす
- 第16番
- 3-5間を広げる。4,5を強化する
- 第17番
- 1-2、2-4、4-5を広げる。3-4-5の音の粒を揃える
- 第18番
- 全ての指を独立させ、4-3、5-4の音の粒を揃える
- 第19番
- 1-5間を広げる。全ての指を独立させ、音の粒を揃える
- 第20番
- 2-4、4-5を広げる。2-3-4の音の粒を揃える。アルペジオを上達させる

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。