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PianeysのYouTubeで最後に流れるピアノ曲について

2023.03.02

Pianeys のYouTubeの動画では、その曲の演奏動画が終わった後に必ず流れるピアノ曲があります。

もちろんこれもPianeysの演奏ですが、とてもおしゃれでポジティブな印象の曲です。

このピアノ曲について、よくお問合せをいただきますのでお答えさせていただきます。

この曲はフォーレ作曲の組曲『ドリー』の中の「キティ・ワルツ」です。

全曲演奏

とても華やかで素敵な作品ですが、それもそのはず、こちらは連弾曲なのです。

楽譜はこちら。

『組曲ドリー』より 「キティ・ワルツ」

組曲『ドリー』の誕生

組曲『ドリー』は全6曲で、すべて連弾として作曲されました。

第1曲 子守歌(Berceuse)1893年作曲

第2曲 ミ・ア・ウ(mi-a-ou)1894年作曲

第3曲 ドリーの庭(Le jardin de Dolly)1895年作曲

第4曲 キティ・ワルツ(Kitty-valse)1896年作曲

第5曲 優しさ(Tendresse)1896年作曲

第6曲 スペインの踊り(Le pas espagnol)1897年作曲

第1曲はフォーレの妻の友人であるエンマ婦人の出産のお祝いに送った曲です。

1892年に誕生したのはエレーヌという女の子で、各曲の作曲年からもわかる通り、フォーレはエレーヌの誕生日に毎年曲をプレゼントしています。

第2曲は2歳、第3曲は3歳、第4曲は4歳です。

厳選して6曲に絞り、組曲としてエレーヌに献呈しました。

組曲のタイトルの『ドリー』はエレーヌの愛称です。

キティ・ワルツ

子猫ちゃんを想像しますが、実際は犬だそうです。

エレーヌの兄、ラウルが飼っていた犬の名前が「Ketty(ケッティ)」でしたが、出版時に間違えて「キティ」となってしまったとか。

第2曲の 「ミ・ア・ウ」もなんとなく猫っぽいですが、こちらも出版時に次のような手違いがあったようです。

エレーヌは兄ラウルのことを「ムッシュ・ラウル」と呼んでいました。

しかしまだ幼い彼女はきちんと発音できず、他の人には「ムッシュ・アウル 」と聞こえていたのです。

とてもかわいかったので、フォーレはこの曲を「Messieu Aoul(ムッシュ・アウル )」と名付けました。

しかし出版されるとなぜか「Mi-a-ou (ミ・ア・ウ)」となっていたそうです。

ベートーヴェンの「エリーゼのために」のエリーゼさんも誤字説が有力ですが、昔はこういうことがしばしば起こっていたのですね。

はたまた、出版社の作戦かもしれません。

しかしこのタイトルのおかげで、ほのぼのとしたかわいらしさが一層伝わる気がします。

独奏版・管弦楽版

組曲『ドリー』の連弾版は1897年に発売されました。

初演は1898年です。

ショパンのコルトー版でおなじみのアルフレッド・コルトーとエドゥアール・リスラーの連弾により披露されました。

1899年にコルトーが独奏に編曲し発表しています。

特に第1曲『子守歌』のような穏やかな曲は独奏版でも人気があるようです。

しかし、やはり圧倒的に連弾版が人気です。

特に華やかな曲を4本の手から2本にまとめるのは難しいと想像できます。

また、1906年にアンリ・ラボーが管弦楽に編曲し発表しています。

エレーヌの母親、エンマ・バルダック

エンマ婦人は1862年に生まれ、17歳で裕福な銀行家のバルダックと結婚し、ラウルとエレーヌの2児をもうけています。

非常に歌が上手で魅力的な女性だったということで、フォーレはエンマ婦人に歌曲集を送っています。

ちょっとここからはドロドロしたお話になります。

実はエンマ婦人とフォーレは不倫関係で、これは周知の事実だったと言われています。

エレーヌはフォーレの子供ではないかという説も、根強く語られています。

やがてフォーレはエンマ婦人との関係を清算します。

その後、ドビュッシーがラウルとエレーヌのピアノの家庭教師となるのですが、ドビュッシーもエンマ婦人と不倫関係になってしまいます。

紆余曲折ありどちらも離婚が成立し、二人は結婚してようやく落ち着きます。

ドビュッシーとエンマ婦人の間にも娘が誕生し、ドビュッシーは娘(エマ、愛称シュウシュウ)に組曲『子供の領分』というピアノ曲を1908年に捧げています。

二人の偉大な作曲家を虜にした女性ですが、フォーレもドビュッシーも女性関係はなかなか派手だったようなので、どっちもどっち感があります。

こちらもどうぞご覧ください。

フォーレの人物像

ドビュッシーの人物像

 
LINEレッスンの画面イメージ

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Pianeys(ぴあにーず)
物書きピアニスト

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。

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