メディア審査~第18回ショパンコンクール大解剖②
予備予選は2021年7月23日に終わりましたが、実はその前に予備予選の予備選考のメディア審査がありました。
予備予選に出場できた方々は、既に第一関門を突破されていたのです。
メディア審査とはどういうものでしょうか?
課題曲は?撮影方法は?
課題曲
予備予選を合格すると10月の1次予選に進むことができます。
その1次予選にも課題曲が設定されていますが、メディア審査はその1次予選課題曲より選んで演奏します。
だいたい予備予選と同じですが、マズルカはありません。
また、スケルツォからも選べることになっています。
ということで計4曲となります。
撮影方法
演奏者の右側から、1つのビデオカメラで、演奏者の全身と手が写るように撮影するということです。
1曲の間は途切れないように撮影し、また全曲を同じ場所から続けて撮影します。
つまり、予備予選と同じ形でリサイタルのように撮影するということになります。
撮影場所
撮影にあたっての注意事項に「音の大きさ等調整は不可」とあります。
YouTubeで、音量を操作編集して強弱の幅をつけておられる方もたまにいらっしゃいます。
あくまでも個人の趣味なので許されますが、コンクールでは不正とみなされて当然でしょう。
ということは、音響の良いスタジオかコンサートホールを借りて撮らなければならないということになりますね。
過去のショパン国際ピアノコンクールにおいて、提出した映像のクオリティが低くて メディア審査 で落ちてしまった人が、実は優勝候補だったということもあったようです。
審査員が異議を唱え、もう一度視聴した結果、予備予選の合格者を多数追加することになりました。
私の友人は別のコンクールでメディア審査を受けたことがあるのですが、そのときはコンサート本番の演奏を送ったそうです。
提出方法
データで送ります。
提出書類
・申込書
・1000文字程度の略歴
・生年月日が証明できる公的証明書のコピー
・最近撮影した写真3枚(うち少なくとも 1 枚は印刷物用ポートレート)
・音楽学位証明書のコピー
・教授や著名な音楽家からの推薦状2通
・過去3年間の音楽的活動を証明する書類(演奏会のプログラムやチラシなど)
・参加費用支払い証明(送金控えなど)
参加費…100ユーロ(2021年7月時点で約13000円)
メディア審査免除制度
各地のショパンピアノコンクールで上位3位以内の入賞者は、映像提出を免除されます。
つまり、書類選考だけということですね。
日本ではショパンコンクール in ASIA派遣コンクールの3位以内の方が該当します。
今回、進藤実優さん、古海行子さん、黒木雪音さんは映像提出が免除されていたというわけです。
まとめ
結構大変な作業ですよね!
就職活動のエントリーシートと一緒です。
もちろん日本語ではなく、ポーランド語、または英語、またはフランス語で応募します。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。