モーツァルトのソナタK.280~「ピアノの森」を読んで

「よっ!モーツァルト!今日お前の曲聴かせてもらったぜ。“K.280” けっこうイイじゃん。」(『優れた指導者』ピアノの森 第2巻・第14話)

一ノ瀬海は雨宮修平の家で、彼の弾くモーツァルトK.280を聴きます。この曲は雨宮修平が受ける学生コンクールの予選課題曲です。初めて聴くモーツァルト!初めて見る楽譜!演奏を聴いているうちに、彼の頭の中で音と楽譜が結びついていくのでした。

この曲は18曲あるピアノソナタのうちの2曲目のソナタで、同時期に書かれた初期のソナタ(1番~6番)は『デュルニッツ・ソナタ』(デュルニッツ男爵のために書いた)と呼ばれています。

「K.」はケッヘル番号のことで、これはモーツァルトの作品を時系列的に配列した番号です。K.1はモーツァルトの5歳の時の作品で、最後の作品はK.626『レクイエム ニ短調』です。彼はこの曲を完成させることなくで35歳で生涯を閉じています。

『デュルニッツ・ソナタ』はK.279~K.284でいずれも19歳での作品です。5歳から作曲しているにも関わらず、19歳で初めてのピアノソナタを書くのは遅いような気がしますが、これには訳があります。

ちょうどこの頃、チェンバロやハープシコードに代わって新しいピアノ・フォルテという楽器が誕生しました。今までの鍵盤楽器は強弱が付けられなかったのですが、ピアノ(弱く)でもフォルテ(強く)でも表現できる楽器が発明されたとあって、モーツァルトは飛びついたに違いありません。一気に6曲書き上げたのでしょう。

K.280については今はあまり演奏会では弾かれない曲ですが、好奇心旺盛なモチーフがつながっていく、モーツァルトらしい曲と言えます。『ピアノの森』の中では色々な姿をしたモーツァルトが一ノ瀬海の演奏するピアノの周りを取り囲みますが、一人一人が曲のモチーフなのではないかと思いました。

「モーツァルトは子供が弾くには簡単だが、大人が弾くには難しい。」と良く言われます。このK.280も初見で弾くのには苦労しないかもしれませんが、心の動きがすぐに出てしまうような怖い曲だと思います。

何も考えずに弾くと何も中身のない曲になってしまうし、演奏に対する不安があるとそれがすぐにわかってしまうのです。ごまかしがきかないのがモーツアルトの特徴です。

よって、モーツァルトが好きな人と苦手な人に分かれるのですが、私はどちらかと言えば人前で弾くのは敬遠しがちです。

「嘘ついてないよね??」と試されるみたいで…。


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