軽い知的障害がある女児のピアノレッスン
前回のブログの続きです。
軽い知的障害がある、小学5年生の女の子を教え始めてしばらくすると、彼女が小さい子供が好きだということがわかってきました。
そこで、年長さんと少し重ね合わせて一緒にレッスンをすることにしました。
年長さんが弾いている間に、音楽の問題をやってもらうのです。
学校では普通学級に行っているようですが、やはりついていけていないのはわかりました。
小さい子の前で問題が正解し、(本当はものすごく簡単な問題です)マルをもらえるのはすごくうれしいらしく、私がほめると得意気でした。
慣れてくると、年長さんのお世話をしてくれるようになりました。
年長さんの音楽ドリルのマル付けを私と一緒にするようになりました。
小学校ではやはり目立つ存在らしく、他の生徒達がうちの教室で彼女に遭遇すると、びっくりした顔をしていました。
彼女はクリスマス会や発表会にも意欲的に出席し、次第に皆とも仲間意識が出来てきたと思います。
発表会ではちゃんと暗譜で演奏し、私との連弾もきちんとできました。
その後6年間、彼女はよほどのことがない限りお休みせずに、ピアノ教室に通ってくれました。
進度は遅いですが、音符は自分で読めるようになりました。
私の指導定義である「レベルアップした実感の持てるレッスン」とは彼女を教えた時に思ったことです。
彼女の場合、今までは「なんで出来ないの!」とヒステリックなピアノの先生に叱られ続けたと思いますが、もっと簡単なことでよいから「出来たね!」と言ってあげることが、彼女の自信となり、私もやればできるんだと思ってくれたと思います。
その後、彼女は高校を卒業して、縫製関係の仕事に付きました。
とても丁寧に字を書いたりする子なので、きっと上手にミシンができるでしょう。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。