本番中にピアノの弦が切れたら?? ~名作漫画「ピアノの森」を読んで
「だから言わんこっちゃない。強い曲に気持ちを入れると、どうしても指に力が入りすぎるクセがある。ピアノがヘタってたりすると何本でも弦を切ってしまうぞ。」(『聴衆』ピアノの森 第11巻・第92話)
一ノ瀬海はコンクール本番中にピアノの弦を切ってしまいますが、失った音がわからないように瞬時に見事なアレンジをします。
コンクールではいかなる理由でもアレンジはご法度です。
『のだめカンタービレ』でも同じような場面はありましたね。
しかしこれが演奏会となると、一ノ瀬海が取った行動は最高のパフォーマンスだと思います。
ヴァイオリンの五嶋みどり氏が、演奏会本番中に弦が切れるハプニングを見事に克服したことは「タングルウッドの奇跡」として語り継がれています。
タングルウッド音楽祭でバーンスタイン指揮のボストン交響楽団との演奏中に、ソリストである彼女のヴァイオリンの弦が切れてしまったのです。
彼女はコンサートマスターと素早く楽器を交換して演奏を続けます。
しかもまたそのヴァイオリンも弦が切れてしまい、休符の間に再び他の奏者のヴァイオリンと交換して、最後まで見事な演奏を披露するのです。
当時五嶋みどり氏はまだ14歳。
このニュースは瞬く間に彼女を後押しして、名声を高めました。
私事ですが、幼稚園や公民館などで演奏するときに、状態が良くないピアノの場合もあります。
主催者側がピアノに詳しくないとか、調律する予算がないなど理由は色々あります。
音が下がっているのは百歩譲るとして、鍵盤がすぐに戻らない、つまり連打が出来ない音があったりします。
その時には「ここの音出ませんから~私のミスではないですから~。」では通らないのです。
わからないように違う音に変える、違うリズムにする、1オクターブずらす、など即座に対応して音楽を楽しんでいただかないといけません。
思い返せば最近弦を切らなくなりました。
手の重みで弾く弾き方に変えたからかもしれないし、新しい調律師さんの技術が素晴らしいのかもしれませんね。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。