初見の訓練、中学生の生徒さん
新しい生徒さんがピアノの楽譜とともに『ダンノーゼルのソルフェージュ』を持ってこられました。
この『ダンノーゼル・・・』は音高、音大を目指す生徒が、新曲視唱などの訓練で用いるかなり高度な歌の本です。
趣味でずっとピアノをやりたいと聞いていたので、なぜこの本を使っていたのか理由を尋ねてみました。
その生徒さんは小さい時は某大手楽器店の音楽教室のグループレッスンに通っていて、音符が読めないまま小学校高学年になってしまったということでした。
音符が読めないながらも、耳が良かったので、すでにその時はかなり難しい曲も弾いていたようです。
その後某楽器店のレッスンを止め、新しい先生のもとでピアノの個人レッスンを受けるようになったそうですが、その先生が音符を読めないのに気づいて、初見の訓練にこの本を併用してくださったそうです。
本来は歌の本ですが、ピアノ用に使われるのはとても良いアイデアだと思いました。
私は引き続きこの本を用いるかどうか考えましたが、結局止める事にしました。
せめて趣味のピアノくらい、お受験の香りのするこの本でなくても良いのでは、と思ったからです。
その生徒さんは伴奏にとても興味を持っているので、合唱のパート譜などを使っても良いでしょう。
私は家にある楽譜で色々な曲の初見に挑戦してもらっています。
他の生徒にも全員にしていることですが、次の宿題の曲を片手ずつ初見で弾いてもらうことは、レベルチェックにもなり有意義です。
現在ベートーヴェンソナタの『悲愴 第3楽章』に取り掛かっていますが、片手ずつの初見はほぼ大丈夫です。
しかしこれは古典派の曲だからとも言えます。
古典派の音の動きは、いわゆる想定の範囲内のことが多いので、割と弾きやすいのです。
ロマン派、印象派、現代と進むにつれて意外な動きが見られ、また苦戦すると思いますが、初見は慣れることが一番なので色々な曲に触れてほしいと思っています。

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。