頭の中が真っ白になってしまった苦い経験
ピアノを暗譜で弾いていて、「手が勝手に動く」という状態は2種類あると思います。
一つは集中力が欠けている時。
この状態を暗譜ができていると思い込むとボロボロになります。
もう一つは徹底した暗譜と練習によって指が覚えこんでいる時。
この状態では、例え真っ白になったとしてもなんとかしのげる場合もあります。
私の過去の失敗談をお話します。
身内で気楽な弾き合い会があり、私はドビュッシーの『水の反映』を弾くことにしました。
先だっての勉強会で、わりと満足に弾けたので大丈夫だと思っていました。
勉強会から弾き合い会まで1ヶ月半。
なんとか維持したつもりでした。
しかし本番ではたった1音のもつれから、取り繕えないほど音が乱れ、挙句の果てには音が浮かんでこなくなってしまったのです!
暗譜の自信を失ってしまったので、もう一度最初から楽譜を見ながら弾きました。
この演奏で、大事なことを2つ学びました。
1つ目は、勉強会本番にピークが来るように持っていったのですが、そのピークが1ヶ月半も続くはずはなかったということです。
毎日弾いて、「今日も大丈夫。」と思い慢心していました。
叩き壊してからもう一度組み立てなければいけなかったのです。
半月ほど曲を寝かせておいて心新たに細かく暗譜の確認をするべきでした。
2つ目は、暗譜を前提に演奏している時は、譜面を見ながら弾くことが難しいということです。
楽譜を見ながらの演奏は楽譜を見るポイント、譜めくりのタイミングなどの練習が別に必要でした。
この教訓により、まず暗譜かそうでないかをはっきり決めることと、ピークへの持って行き方に注意しています。
これは生徒達にも言える事なので、発表会などの参考にしています。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。