ハノンが苦手で合格できない理由とは?(part 1.)
ハノンはピアノのテクニックを強化する教本です。
私も小さい時から現在に至るまで弾いています。
ちょっと退屈かもしれませんが、技術向上のためによく考えられた教本というのは間違いありません。
主に初級の方で、ハノンが苦手でなかなか合格できない方へのアドバイスをさせていただきます。
ハノンがピアノ曲の中で一番好きという人はあまり聞いたことがありませんが、常に身近に置いておくと頼りになります。
今回は1番~20番までのページについて、どういうところが苦手で、どう克服するとよいかを考えたいと思います。
大きく分けると、このようなことが苦手だと感じておられるのではないでしょうか?
1. 譜読みが苦手
2. 指づかいが苦手
3. 速く弾くのが苦手
パッと見た目が16分音符のオンパレードで、はじめは難しそうに見えますね。
しかしすべての音にルールがあり、それを理解した上で弾くか、理解しないままで弾くかによって、何もかもが全然違ってくるのです。
それ以前に単調で面白くないから嫌いだ、という方もいらっしゃるでしょう。
それはある意味同意ですが、ハノンは曲を弾くための準備運動だと考えてください。
中級以降の曲をいきなり弾くと、手を痛める可能性もあるので、このようなシンプルな曲は便利に使えます。
ファーストタッチの手のこわばりなども確認できるでしょう。
では、順を追って説明していきます。
今回は『1. 譜読みが苦手』な方に、なぜ苦手と思ってしまうのか?そしてその解決方法をお伝えします。
譜読みが苦手
ルールを見つけていない
各曲ごとにその曲を練習すると得られる効果があります。
まず第1番は、5と4の指の間を広げる練習です。
そこだけ1音開いて(ドーミ)、後は順次進行です。
これは指づかいとセットで譜読みをするほうが楽に覚えられます。
このようにルールを見つけることが頭の良い練習になります。
平行移動の認識ができていない
1番~20番の曲は、いずれも4分の2拍子で16分音符が並んでいます。
同じ音型で上行し、真ん中で折り返して、また同じ音型で下行します。
例えば第1番は「ドミファソラソファミ」から1音ずつ上がり「レファソラシラソファ」と続きます。
これだけのことですが、めちゃくちゃ時間がかかる生徒さんもいます。
同じ指づかいなので、平行移動をすればよいだけなのですが、おそらく1音ずつ音を読みながら弾いているのでしょう。
特に小さい生徒さんは、平行移動をしているという理解がありません。
解決方法
「ドミファソラソファミ」の8音が長すぎるので、しんどくなってしまうのかもしれません。
その場合には後半はひとまず無視して、前半の4音だけで「ドミファソ」「レファソラ」・・・というように進めましょう。
もちろん指づかいは「1234」でしっかり固定します。
できるようになれば、後半の4音だけの「ラソファミ」「シラソファ」・・・で移動します。
指づかいは「5432」です。
同じく下行もそのように練習しますが、折り返しの中間地点と最後だけ違うので注意してください。
その次に6音で区切って同様に移動して弾いていきます。
つまり、「ドミファソラソ」「レファソラシラ」・・・です。
このように分割して弾くと、すごく簡単に感じます。
今回は『1. 譜読みが苦手』な方について原因と克服方法をお話させていただきました。
次回は『2. 指づかいが苦手』な方についてお話させていただきます。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。