ピアノ発表会の本番直前で直せるもの、直せないもの
ピアノ発表会前の最終アドバイスとして、LINEレッスンを利用される方も結構いらっしゃいます。
指導のお返事をするときに注意しているのが、本番を直前に控えてどこまで直せるかということです。
本番直前とは?
本番直前というのは、発表会まで1週間を切ったあたりです。
コンクールの場合はシビアなので、あまり直前の方はいらっしゃいません。
継続的にご利用していただいている方だと、だいたいのペースがわかりますが、本番直前のアドバイスは初めての方が多いです。
ピアノ演奏は1週間で劇的に変わりますが、その後に慣らす期間も必要なので、直前で変え過ぎるのには抵抗があります。
しかも精神的なプレッシャーもあるので、ダメだしばかりでは追い詰めてしまう可能性があります。
その点を注意しなければいけません。
本番直前に直せるもの
一番直しやすいのは強弱です。
ご本人は強弱を変えているつもりでも、もっと変化が欲しい場合は積極的にお伝えしています。
また、楽譜には書かれていない強弱が実は重要なので、指導させていただいております。
楽譜に書かれていない強弱は、長年の演奏経験がないと気が付かないところです。
どの音が大事か、どの音につながっていくのか、どこで解決するのか、などを徹底分析することによって強弱が決まってきます。
これが決まるとワンランク上の演奏になります。
また、「rit.」などの表示でだんだんゆっくりしているつもりでも、ほとんどそのままのテンポで弾かれていることもあるし、逆に不自然にゆっくりになってしまっている場合も直せるポイントです。
「ねじ式のオルゴールが止まるような感じ」とお伝えしています。
速度もメトロノームを使うことによって安定してきます。
演奏者のベストなテンポと、曲本来のベストなテンポは違う場合が多いので、まず自分の無理のないテンポを知っていただくことも重要です。
指がもつれて弾きにくいところは、その部分を焦って弾いてしまう癖になっているのかもしれません。
どの音をしっかりタッチすれば弾きやすくなるか、などを指導させていただいております。
本番直前に直しにくいもの
指の形は指摘できても、更に弾きやすい指づかいなどは混乱のもととなってしまうので、お教えしないことにしています。
また音ミスにしても、臨時記号が抜けていたりする場合は直していただくように指摘しますが、和音が「ドミド」なのに「ドソド」になっていたりする場合は、無理に直さなくてもよいとお伝えしています。
もちろん、コンクールではアウトですが、発表会では許せる範囲とみなせるでしょう。
問題は、その音ミスを直すことによって指づかいが変わってしまうときです。
その場合は指づかいも含めて指導させていただくしかありません。
メロディー以外であれば、音ミスの指摘を見過ごしても仕方がないと思います。
しかし、非常に弾きにくい様子だったり、音の粒が揃っていない場合は、指づかいが原因というのが実は多いのです。
比較的直しやすい強弱や緩急、速度なども、指づかいが障害となることがあります。
せめて2週間前だったら、、、と思うことが多々ありました。
私自身も音を読み間違いしていて、本番直前に気づいて焦ることがあります。
どうしても気になって気持ちが悪い場合は必死で直しますが、危険が伴う場合はそのままにすることもあります。
音楽的に流れていて、堂々としていれば良いのだと思い込ませています。
まとめ
LINEレッスンで動画を送って来られるタイミングによって、指導内容を考えてお伝えしています。
本番直前で直しやすいものは、強弱、緩急、速度の安定です。
一方、直しにくいものは指づかいや音ミスです。
直しにくいものは、無理に直さない方がよい場合もあります。
早い段階で曲を一度固めて、余裕をもって本番にのぞみましょう。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。