ピアノ発表会でのトラウマを検証する【Part 4~楽譜はお守りではない】
ピアノ発表会で思うように演奏できなかった方は、その経験が耐えられなくてトラウマになり、発表会を敬遠してしまうことがあります。
しかし、今一度新たな気持ちで向き合って乗り越えることを願っています。
Part1ではワンパターンの練習法脱却、Part2では緊張のコントロール、Part3では向き不向きについてお話させていただきました。
Part4では楽譜を見て弾いたのに失敗してしまった場合についてです。
発表会で楽譜を見て弾くのはOKか?
そもそも暗譜をしてピアノを弾くようになったのは、クララ・シューマンが最初と言われています。
クララの夫はロマン派の大作曲家のシューマンですが、クララはシューマンより有名な天才ピアニストでした。
当時は自分の作曲した曲を自分で演奏する形が多かったのですが、クララは自作の曲の他にベートーヴェンやショパンも見事に演奏しました。
作品を隅から隅まで理解し、自分の表現を活かすために暗譜という形を取ったのでしょう。
もちろんコンサートは大盛況で、コンサートでは次第に暗譜が当たり前になってきます。
ピアノ発表会はコンサート形式なので、暗譜が推奨されます。
しかし、私は大人の方は楽譜を置いても良いと思っています。
ここで注意したいのは、楽譜を見て弾くということは手抜きではなく、プラスアルファの練習も必要であるということです。
大人の方の暗譜
子供の頃は曲を覚えるのは自然とできていたように思いますが、年齢を重ねるにつれて難しいと実感しています。
音符を一つずつ覚える覚悟がないと、暗譜はできなくなっています。
しかし楽譜を置くからと言って、暗譜をしなくてよいという訳ではありません。
やはり80%くらいの暗譜は必要です。
そもそも曲が止まらずに弾けた時点で、50%くらいは暗譜できています。
楽譜を置く場合の特別な練習
発表会でよく見る光景ですが、一応楽譜を譜面台の上に置いていても一度も見ない方がいらっしゃいます。
それは素晴らしいのですが、ミスってしまったときにいざ楽譜を見ようとしても、どこを弾いているのかわからなくなる方がほとんどなのです。
これでは楽譜を置いている意味がありません。
本番での緊急事態に備えてのお守りとして楽譜を置くならば、楽譜の音を覚える練習の他に、書いてある場所を覚える練習も必要不可欠なのです。
弾きながらちょっと不安な場所に差し掛かる前に、サッとそこに目が行く練習です。
普段の練習で大丈夫だったところでも、本番では不安になるものです。
ということは、すべての場所を把握するくらい、楽譜を読み込んでいないといけません。
それをしていないのに、「楽譜を置いても失敗した」という苦い経験だけが残ってしまうのは残念です。
楽譜はただ置いておくだけのお守りではなく、安心して相談できる親友のような存在なのです。
まとめ
ピアノ発表会で失敗をしてしまった場合、なかったことにして触れないようにするよりも、すべて受け入れて自分の肥やしにするほうがトラウマになりにくいです。
ピアノ発表会で失敗してしまうのは、だいたいこのような場合なので、順に解説させていただきました。
①練習がワンパターン
②緊張をコントロールできない
③人前での演奏は向いていないと思い込む
④楽譜をお友達にせずお守りにする
勇気を出してチャレンジしてみると、ピアノ以外のことにも良い影響がでてくるので、ぜひおすすめいたします!
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。