ピアノ発表会でのトラウマを検証する【Part 3~向き不向き】
ピアノ発表会で思うように演奏できなかった方は、結構たくさんいらっしゃると思います。
トラウマにならないために、過去の発表会での失敗ときちんと向き合って、今後につなげることが大切です。
Part1ではワンパターンの練習法脱却、Part2では緊張のコントロールについてお話させていただきました。
Part3では発表会で演奏することに向いていない方についてです。
ピアノ発表会に出演する意義
まず、ピアノ発表会に出るとどういう利点があるのか考えてみましょう。
・日頃の練習の成果を発表することができる
・何月何日までという目標があり、がんばれる
・1曲を深く理解して仕上げるというワンランク上の勉強ができる
・大きな会場で演奏できる
・人に聴かせる演奏が学べる
・ピアノ仲間ができる
ざっとこれだけのことが頭に浮かびました。
ただ、発表会に出なくてもピアノは習えるし、好きな曲は弾けます。
しかし、これだけのチャンスがあるのに、見過ごしてしまうのはもったいないと思いませんか?
ピアノ講師が発表会をしたがる理由
大きな楽器店であれば、楽器店のスタッフがお膳立てをしてくれるので、ピアノ講師は生徒を指導して送り込めばよいですが、個人教室のピアノ講師にとっては面倒なことが山積みです。
会場の抽選、お花などの発注、プログラムの原稿作成、写真の手配などなど…。
講師演奏や連弾の相方などがある場合には、更に負担が大きいです。
大きな楽器店の発表会では生徒数も多いので、結構大きな収入源だと思います。
しかし、個人教室では赤字になり、ピアノ講師が自腹を切っているという話も耳にします。
正直な話、参加者が減ると計算機片手に、どこを削るか思案しています。
それほどまでして、ピアノ講師が発表会が必要だと思う理由は何でしょうか?
それは、ピアノ講師自身が幼少期からピアノ発表会と共に歩んできたからなのです。
私もそうですが、自分自身の経験からピアノレッスンは発表会とセットになっています。
そして、上記の利点の他にも、舞台を踏むことでしか得られないものもたくさんあります。
親御さんにとっても、我が子が晴れ舞台で演奏するのは、極上の喜びの1つでしょう。
発表会に向けてのレッスンはプレッシャーと戦いながらになりますが、確実に演奏のレベルは上がるのを誰よりも実感しています。
ピアノ発表会に向いていない人とは?
病的な場合を除いて、ピアノ発表会に向いていないというのは思い込みだと思います。
緊張して、不安に押しつぶされそうになるのは、全員共通しています。
それよりも、向いていないと思い込む方は、他人の目が人一倍気になる方と言えるでしょう。
自分の演奏に自信が持てないときは、本番ではより緊張するので、自信が持てるまで練習するしかありません。
発表会に向けての特別な練習をがんばったら、舞台の上では「上手に弾こう」とは思わないことです。
欲が出ると、速くなったりミスったりします。
いつもより調子が良いからもう少しカッコよく弾いてみよう、などとは思わないでください。
自分ができる素敵な演奏を、普段の練習できっちり身につけておきます。
本番ではその80%の演奏ができれば良しとします。
いくらノーミスでも、ビビりすぎて無味乾燥な演奏にならないようにしましょう。
ときどき、本番に強い言われる方がいらっしゃいますが、舞台に慣れてきているというのが大きいでしょう。
ピアノ発表会で自分自身を変えよう
ピアノ発表会を経験することによって、ピアノの実力が必ずついてくるのはわかっていただけたと思います。
しかし、ピアノ以外にもっと大きな進歩があります。
それは人前で何かをする度胸がつくことです。
正直、私は言葉で何かを発表したりすることに対しては、それほど怖くありません。
プレゼンなどではだいたいのことが頭に入っていれば、少しの間違いから大きく崩れることはないと思っているからです。
ピアノの場合は、すべての音とその順番が正確に頭に入るように訓練を重ねます。
発表会では楽譜に逆らうと大変なことになり、しかもたった一人で立ち向かうのです。
つまり、ピアノ発表会という修行が、人生の他の場面でも生かされているというわけです。
ピアノの発表会では、少しミスをしてもやり過ごせる柔軟性や、瞬時に立て直す判断力も試されます。
簡単な曲でもよいので、ぜひ乗り越えて行きましょう。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。