ピアノ発表会でのトラウマを検証する【Part 2~緊張のコントロール】
過去の発表会での失敗がトラウマとなってしまった方に向けて、どのように克服すればよいのかということを考えてお伝えしています。
Part1では、ワンパターンの練習法が原因の1つなので、それを変えてみようというお話でした。
今回は緊張についてお話させていただきます。
緊張をコントロールできない
人前で演奏する際には緊張するのが当たり前で、堂々としているように見えるプロのピアニストも、天真爛漫な小さな子供も緊張と必死に戦っています。
しかし、その次元を超えて緊張するタイプの方もいらっしゃいます。
指や足が震えて力が入らないとか、冒頭から頭が真っ白になるとか。
しかし、何に対して緊張しているのかを冷静に考えてみましょう。
*ちゃんと弾けるかどうか不安で一杯になっている
*失敗したら怒られる、もしくは笑われるかもしれない
だいたいこの2つに分類されるのではないでしょうか。
順に解説していきます。
ちゃんと弾けるかどうか不安
これを克服するには練習しかないです。
その練習についても時間ではなく濃度ということが重要で、やることをやりきれば結果は必ず付いてきます。
前回にお話させていただきましたが、これだけやったのだからこれで弾けなくても仕方がない、というところまでその曲を理解することに尽きるでしょう。
色々な角度から弾いてみて、弾けないところを浮き彫りにするという特別な練習が必要です。
たとえ本番で思うように弾けなかったとしても、そういう経験が1つあったというだけです。
命は取られないし、試験に落ちるわけでもありません。
何事もそうですが、まだ現実に起こっていないことに対する不安はなるべく考えないようにしましょう。
失敗したら怒られる、もしくは笑われる
これについては自意識過剰で、まったく気にすることはありません。
もし実際に怒ったり笑ったりする人がいたとしたら、その人は自分より努力をしているのか?と問いたいです。
本番の演奏に至るまでの苦難の道は、同じ舞台に立つ仲間にしか理解できません。
そして、その方たちはその苦労を知っているので笑ったりしないでしょう。
ピアノの先生に申し訳ないという気持ちもあるかもしれませんが、そういう方こそ伸びしろがあります。
ピアノ講師も指導不足だったかもしれないと反省されると思います。
失敗は恥ずかしい経験だったかもしれませんが、リベンジしてこそ、その経験が生かされるのです。
ただの失敗を、前向きな良い失敗に変えましょう。
このように、緊張する原因を自分なりに考えてみて、その気持ちを和らげる答えを出すことが重要だと思います。
それが緊張感のコントロールです。
緊張感がない演奏は味がありません。
私も動画を撮るときに、カメラが回っている方が音色が生き生きしているのを感じています。
小さな子供でも、舞台裏では可哀そうなくらい緊張しているのがわかります。
涙が出てきてしまう子もいましたが、本番は立派に演奏して戻ってきました。
次回は
③ピアノ発表会に向いていないと思い込む
について解説させていただきます。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。