ピアノ発表会でのトラウマを検証する【Part 1~練習方法の見直し】
大人の方で、ピアノ発表会にチャレンジしたいけど勇気が出ない方は多いのではないでしょうか。
お話を伺ってみると、過去の失敗が原因というのが結構多かったです。
しかし、本当にそのトラウマをそのままにしておいてよいのでしょうか??
ピアノ発表会ごときでトラウマを作ってほしくないというのが正直な感想です。
本番で失敗してしまったとき
長くピアノを勉強していると、本番でとんでもないミスをして何日も落ち込むことがあります。
私も本番中自分が情けなくなって、このまま椅子から転げ落ちようか、と思ったこともありました。
しかし、悔しいけれど100回中1回の失敗も、自分の力不足が原因なのです。
本番はこれまでの成果を出す場なので、失敗もまた成果の一つと考えられるでしょう。
すべて受け入れて自分の肥やしにするか、なかったことにして触れないようにするか、2つの場合を考えたとき、トラウマ(心の傷)になるのは後者だと思います。
理由は、前者は前進していて、後者は立ち止まっているからです。
前進すると過去のことは薄まっていき、失敗も一つの経験として笑って話せる日が来ます。
しかし封印していると、何かのはずみでその光景がどす黒くよみがえることがあります。
実際はそれほどでもなかったのに、年月が経つにつれ体験が増長されてしまうのです。
また、前進すると決めたときは、今までのような練習を見直すチャンスでもあります。
ピアノ発表会で失敗してしまうのは、だいたいこのような場合です。
①練習がワンパターン
②緊張をコントロールできない
③人前での演奏は向いていないと思い込む
④楽譜をお友達にせずお守りにする
では順に解説させていただきます。
今回は①について。
練習がワンパターン
年齢が重なると、覚えたつもりでも案外抜けていることがあります。
フレーズの練習は完璧だったとしても、1音1音しっかり覚えていましたか?
1音1音覚えていたとしたら、フレーズまるごとの失敗ではなく、ミスは1音など最小限に抑えられたと思います。
プロのピアニストの方々も、必ずしもノーミスではありません。
ミスを最小限にとどめていて、音楽的にも美しく流れているのでそれほど気にならないのです。
本番に失敗するのは、練習がワンパターンになっていて、それが成功しているので大丈夫だと思い込んでいるときです。
そして「今まで失敗したことがないところ」でつまづいてしまうのです。
不安な箇所を無事に弾けた後などに、ドーンとそれは突然やってきます。
ピアノ練習は時間ではなく濃度が大切です。
次回は②緊張をコントロールできないについてお話させていただきます。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。