恥ずかしがりっ子のピアノレッスン
その生徒さんが習いに来たのは、年中さんの秋でした。
おっとりした一人っ子の箱入り娘でした。
ちなみに私も一人っ子ですが、箱は箱でも段ボール箱のほうです。
その生徒さんは人生初の習い事で、カチンカチンに緊張していました。
リトミックはすんなり出来たのですが、いざピアノの椅子に座らせようとすると、尻込みしてしまいました。
ママにしがみついて泣きそうになっています。
嫌がるのを無理やりというのも気が進みません。
「じゃぁ、ママさんがだっこして座ってください。」ということになり、世にも奇妙な二人羽織的レッスンが始まりました。
しかし弾くときは真剣で、なかなか興味深そうです。
次の週もママの膝の上でのレッスンでした。
3週目、生徒さんはにこにこと機嫌が良かったので、「今日は一人で座ってみる?」と聞いてみました。
するとあっさり頷いて、それ以来一人で座るようになりました。
あの時無理矢理に一人で座らせなくてよかった~
生徒さんは幼いながらもわかっていたのです。
ちゃんと一人で座らなければいけないということが。
ちなみにその後、二人羽織的レッスンをしたのは年中さんの男の子でしたが、彼は4週目に一人で座れました。
人生初のことをするのはなかなか勇気がいりますね!
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。