【特報】久末航さん、準優勝の快挙!亀井聖矢さんも第5位入賞でW表彰台〜エリザベート王妃国際音楽コンクール2025
先ほどエリザベート王妃国際音楽コンクールのファイナルの演奏がすべて終了し、結果が発表されました!
結果を速報でお伝えします!
なんと、久末航さんが第2位に、亀井聖矢さんが第5位に輝きました!
おめでとうございます!!
世界三大コンクールの一つとされるエリザベートの舞台で、日本の若き才能が世界に認められました!
全体としては次の結果となりました。

今回は、桑原志織さん、亀井聖矢さん、久末航さんのファイナルでの演奏の感想をお話しします。
なお、吉見友貴さんの演奏については、過去の記事でお話ししていますのでこちらからご確認ください。
桑原志織さんの演奏を聴いて
桑原さんは、セミファイナル5日目の1番手として、日本時間で5月30日(金)深夜3時15分から、次の2曲を演奏されました。
クリス・デフォート作曲「Music for the Heart」(新作課題曲)
ブラームス作曲「ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83」
第一印象
ネイビーブルーのロングドレスで登場された桑原さん。
同色のスパンコールが華やかさを増して、おしゃれでエレガントです。
衣装も含めて、その立ち居振る舞いが、このコンクールに携わる全ての方々に敬意を表していることが伝わってきます。
クリス・デフォート:Music for the Heart(新作課題曲)
クリス・デフォート氏はベルギー生まれの作曲家です。
ジャズピアニストとして活動しながら、中世・ルネッサンス時代の音楽とジャズを融合させるなど、新しい試みで評価されています。
2007年のエリザベートでも、新作課題曲を提供しています。
エリザベートの公式インスタグラムに、チャペル内でデフォート氏を交えての集会の様子がありました。
ピアノの周りをぐるっと取り囲んで、熱心に楽譜を読み込む8名のコンテスタントの中に、桑原さん、亀井さん、久末さんの姿がありました。
吉見さんを含む4名は、それ以前に終わっていたのでしょう。
ファイナルでの本番演奏中、ときどき映る桑原さんの楽譜には、ピンクのマーカーでしるしがありました。
そういえば、デフォート氏との集会のときにピンクのマーカーを持っておられました。
そんなことを思いながら、ちょっとほのぼのとした気持ちで、本番のすばらしい演奏を聴かせていただきました。
吉見さんの演奏では腕や手のひらで鍵盤を押す場面もありましたが、桑原さんは全て指で演奏されていました。
チャペルでは、おそらくデフォート氏が楽譜に書ききれないその辺り指示を、口頭で伝えていたのではないかと思います。
桑原さんは管弦楽と一体になって、雅楽のような優美な音楽を奏でられました。
ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83
ブラームスが40代後半の円熟期に書き上げたこの協奏曲は、1881年に自らのピアノ独奏で初演されました。
この作品は、全4楽章からなる長大な構成で、演奏時間も50分あります。
ピアノ協奏曲というよりピアノ付きの交響曲というようなスケールの大きさを感じさせます。
技巧的にも難度が高く、ブラームスの構成力と詩情が見事に融合した傑作です。
第1楽章は堂々としたホルンの序奏に始まり、重厚さの中にも叙情性が漂うブラームスらしい世界です。
桑原さんは音の厚みを生かした素晴らしい演奏を披露されました。
第2楽章は緊張感あふれる情熱的なスケルツォ。
第3楽章では独奏チェロの旋律が心を打ち、穏やかさと深みを兼ね備えています。
美しく温かい演奏で、最後のトリルのところでは涙腺が崩壊しました。
終楽章は軽やかで牧歌的な雰囲気を持ち、最後に向かって華やかに膨らんでいきます。
演奏が終わると同時に大歓声が上がりました。
桑原さんもそれに応えて満面の笑みです。
その後の舞台裏で、新曲の際の譜めくりの方にお礼を言ったり、司会者の方とハグしたりと、演奏通りの温かいお人柄が見えました。
全体的な印象
桑原さんの演奏は、コンクールという枠組みを忘れさせてくれる安心感があることを再認識しました。
どの音楽も格調高く包容力があります。
なお、桑原さんは過去のコンクールでの実績により、2025年ショパン国際ピアノコンクールの本大会への直接出場が決定しています。
桑原さんのショパンも楽しみですね。
10月からのショパンコンクール本大会でも応援しましょう!
亀井聖矢さんの演奏を聴いて
亀井さんは、セミファイナル最終日の1番手として、日本時間で5月31日(土)深夜3時15分に登場されました。
全ファイナリスト共通の新作課題曲「Music for the Heart」に加えて、サン・サーンス作曲「ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 Op.103」を演奏されました。
これまで磨き上げてきた、得意のサン=サーンス第5番です。
第一印象
ファイナル最終日とあって、満員の観客席です。
ロイヤルボックスには美しい王妃様、王女様のお姿がありました。
亀井さんは超満員の観客席に一瞬びっくりされたようでしたが、闘志がみなぎっているような印象がありました。
クリス・デフォート:Music for the Heart(新作課題曲)
桑原さんは温かな響きで幻想的に弾かれましたが、亀井さんは硬質でクリスタルな響きを追及されていました。
それぞれの演奏者によって違う持ち味を発揮されるので、オケも指揮者も大変だとつくづく思いました。
クライマックスの即興的なところは、腕も使った自由な演奏で、少し長めに時間を取られていたと思います。
圧巻の演奏は、最後の静寂を待たずに拍手が起こってしまったほどです!
サン・サーンス:ピアノ協奏曲 第5番 ヘ長調 Op.103
フランスの作曲家サン=サーンスが61歳で書いた作品です。
この曲は、サン=サーンスのエジプト滞在中に作曲され、アラブ音楽や民謡など、異国の要素が色濃く反映されているため、「エジプト風」という愛称で知られています。
ちょうどドビュッシーらによる東洋趣味が芽生え始めた頃で、エキゾチックなエジプト風も、聴衆に強い印象を与えました。
この協奏曲の魅力は、異国情緒と洗練された古典的構成が見事に融合している点で、聴き応えのある作品として高く評価されています。
亀井さんは2019年、この曲を演奏して、ピティナ・ピアノコンペティション特級でグランプリを獲得されています。
また、2024年末に「1万人の第九」にゲスト出演され、佐渡裕氏の指揮で演奏されました。
亀井さんの協奏曲のレパートリーはモーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、メンデルスゾーン、ブラームス、ラヴェル、チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ガーシュウィンなど、多岐に渡っています。
その中でもサン=サーンス第5番は相性もよく、モチベーションも高まるということで選ばれたのでしょう。
なお、前回大会で第3位に輝いた務川慧悟さんも得意とする曲で、入賞者コンサートでも披露されておられます。
この作品は全3楽章で構成されています。
第1楽章は清々しく、旋律の美しさと巧みな構成が光ります。
この曲を披露する喜びに満ち溢れた表情で、亀井さんの演奏がはじまりました。
鍵盤の真上からのアングルでは、やはり亀井さんの手の大きさが際立っています。
オクターブを弾くときも、親指と小指が曲がっていて余裕がありました。
それもそのはず、亀井さんにはドからソまで届く、素晴らしい長所があります。
能力を存分に生かして、新しい世界へ導く旅先案内人のように華麗に演奏されました。
第2楽章はこの曲の核で、アラビア音階やエジプト楽器の響きなどを取り入れた幻想的な楽章です。
エキゾチックな魅力満載です。
観客の方々も、息を飲んで演奏に弾きこまれている様子でした。
第3楽章は、旅の終盤を思わせる活力に満ちたフィナーレで、ピアノ技巧が炸裂します。
亀井さんはスピード感あふれる演奏!
私たちを楽しませてくださいました!
演奏終了後、スタンディングオベーション!
会場は大歓声に沸きました!
指揮者の大野氏も満足げにうなずいておられました。
舞台袖ではオケの方と喜びと感謝の笑顔でハグしたり、「ブラボー!」と声をかけられたりと、亀井さんの演奏に対して特別感があるように感じました。
やり切ったという明るい表情がすべてを物語っていました!
久末航さんの演奏を聴いて
久末さんは、セミファイナル最終日、亀井さんに続く2番手として登場。
日本時間で5月31日(土)深夜4時15分から、全ファイナリスト共通の新作課題曲「Music for the Heart」に加えて、ブラームス作曲「ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83」を演奏されました。
第一印象
ファイナルの最終日、最後の演奏者の前に、新作課題曲を提供されたデフォート氏への感謝の言葉がありました。
久末さんは落ち着いた表情でにこやかに登場されました。
知的で上品な身のこなしがとても素敵です!
クリス・デフォート:Music for the Heart(新作課題曲)
久末さんは、桑原さんや亀井さんとはまた違う世界を表現されています。
この曲も12回目の演奏ですが、これほど世界観が変わるとは、それだけこの曲に可能性の余白があるということでしょう。
あらためて素晴らしい作品であることを実感しました。
どの方の音楽が一番気に入ったかなど、話題は尽きません。
久末さんの音楽は神秘的で、多彩な音がオーケストラと溶け込んで素晴らしかったです。
ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83
桑原さんと同じ選曲ですね。
予選でのベートーヴェンも素晴らしかったけど、ブラームスも感動しました!
ドイツ音楽を深く掘り下げて弾きこなせるのはカッコイイです!
久末さんの音楽は大人っぽくて、包容力も艶もあります。
オーケストラともピアノが出過ぎず引っ込みすぎずの絶妙のバランスで、細部まで練り込んだ構成に心奪われました。
音楽は正統派クラシックですが、ジャズも弾かれるなど、引き出しが多いので色彩感が豊かなのですね。
最後を飾るにふさわしい立派な演奏でした。
演奏終了後は、大満足の拍手喝采。
久末さんも協奏曲には慣れていらっしゃるので、オケの方々に敬意を払ってご挨拶をされました。
オケの方々も皆さん笑顔で、コンクールの最後の演奏を充実感を持って終えられたことが伝わってきました。
舞台袖では亀井さんが出迎えて、抱き合ってお互いの健闘をたたえ合っている姿が印象的でした。
まとめ
エリザベート王妃国際音楽コンクールのファイナルの結果と、桑原志織さん、亀井聖矢さん、久末航さんの演奏の感想をお伝えしました。
ファイナリストの皆様は、すばらしい演奏を聴かせてくださいました。
このブログでは、エリザベート王妃国際音楽コンクールをビデオ予選から追いかけてきましたが、この一連の情報発信を通して、国境を越え、言葉を超えて人々の心に響く音楽の魅力、そしてそれを表現するピアニストたちの情熱と技術の高さに、深い感銘を受けました。
ライブ視聴は時差があり、生活リズムの維持が少々大変ではありましたが、ここまで発信を応援してくださった方々、楽しみにご視聴いただいた方々の声があって、最後まで続けることができました。
ありがとうございました!
今後も国際ピアノコンクールの情報の発信は続けていきますので、引き続きよろしくお願いします!
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。











