2023年 チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門~歴代入賞者
2023年6月19日よりチャイコフスキー国際コンクールがはじまります。
ピアノに特化したショパン国際コンクールと違っていろいろな部門がありますが、ピアノ部門に絞って追ってみたいと思います。
現時点ではまだ出場者は発表されておりません。
2023年チャイコフスキー国際コンクールについて
1958年を初年度として、4年に1度ロシアで開催されています。
ベルギー開催のエリザベート王妃国際音楽コンクール、ポーランド開催のショパン国際ピアノコンクールと並ぶ「世界三大音楽コンクール」の1つでした。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、国際音楽コンクール世界連盟はチャイコフスキー国際コンクールを国際音楽コンクールと認めない決定を2022年に下しました。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽(女声・男声)、木管楽器(フルート・ファゴット・クラリネット等)、金管楽器(ホルン・トロンボーン、チューバ、トランペット等)の部門があります。
歴代入賞者の活躍(ピアノ部門のみ)
第1回(1958年)ヴァン・クライバーン(アメリカ)第1位
当時、ロシア(旧ソビエト連邦)とアメリカは冷戦の時代でした。
そもそもチャイコフスキー国際コンクールは、ロシアの芸術を世界に誇るために開催されたにも関わらず、敵対していたアメリカ人が優勝したので世間をおおいに騒がせました。
しかし、芸術に国境がないことが証明されたということです。
後にクライバーンの優勝を記念してヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールがアメリカで設立されました。
第2回(1962年) ウラディミール・アシュケナージ(ソ連)第1位
この年はジョン・オグドンも同率第1位でした。
しかしアシュケナージは翌年ロンドンへ亡命したため、チャイコフスキー国際コンクールはその優勝記録を抹消しました。
ちなみにアシュケナージは1955年にショパン国際ピアノコンクールで第2位になっています。
第3回(1966年)グリゴリー・ソコロフ(ソ連)第1位
優勝確実と見られていたニコライ・ペトロフが手の故障のため棄権しましたが、ソコロフが満場一致で優勝しました。
当時ソコロフは16歳で最年少でした。
第7回(1982年)小山実稚恵(日本)第1位なしの第3位
小山実稚恵は1985年にショパン国際ピアノコンクールで第4位入賞を果たしています。
それまでの日本人のピアノ部門入賞者は第1回、第7位の松浦豊明です。
第12回(2002年)上原彩子(日本)第1位
当コンクールにおける女性初の優勝者です。
第11回大会でも最年少のセミ・ファイナリストになり注目されました。
第16回(2019年)藤田真央(日本)第2位
1998年生まれで現在24歳ということで、今後の挑戦にも期待しています!
伝統と格式のあるコンクールが、戦争によって大変な打撃を被りました。
国際音楽コンクールと認められないことや、ロシアで開催される身の危険などから、応募者も敬遠していることと思われます。
ウクライナとロシアに平和が訪れ、再び国際音楽コンクールと認められるよう、祈っております。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。