【特報】本大会3次予選 結果発表&ファイナルの審査方法・賞と賞金・特別賞について〜第19回ショパン国際ピアノコンクール
第19回ショパン国際ピアノコンクール 本大会3次予選の結果が発表されました。
84名から始まった本大会1次予選。
40名が2次予選へ。
20名が3次予選へ。
そして、ファイナル進出者が決定しました。
日本からは、
桑原志織さん
進藤実優さん
ファイナル進出です!
おめでとうございます!!
牛田智大さんは、残念ながらファイナル進出なりませんでした。
牛田さんのコンチェルトと幻想ポロネーズを、ファイナルでお聴きしたかったですが、ここまでの演奏で私は何度も感動し涙を流しておりました。
すばらしい音楽をお聴かせいただき、心から感謝しております。
今後のご活躍も、心より応援しております。
今回は、桑原志織さん、進藤実優さんの3次予選までを振り返りつつ、ファイナルの概要・審査方法・賞と賞金・特別賞について解説していきます。
桑原志織さんのここまでを振り返り
1次予選は木枯らしのエチュードからはじまり、パワフルな中にも柔らかな弾力がある音で、一瞬で会場を虜にしました。
その後、ノクターン Op.9-3、ワルツ 第2番を経て、バラード 第4番は情感あふれる別格の演奏。
今大会のコンテスタントの中でも「極上」という言葉がふさわしい圧倒的なパフォーマンスでした。
2次予選は舟歌から。
穏やかな水の揺らぎに様々な感情の色合いを細やかに乗せた演奏を披露されました。
プレリュード第13番〜第18番では、感情の起伏に合わせた品のある強音が、ゴージャスな印象を残しました。
幻想曲では色彩の移り変わりが素晴らしく、超高速演奏でも自然と受け入れられる余裕を聴き手に与えてくれます。
ラストは英雄ポロネーズ。
気高さという言葉がぴったりの演奏は、超絶技巧と美しいトリルで観客を魅了しました。
大歓声・大拍手が控室に入られても鳴り止みません。
流石の安定感で3次予選進出を決めました。
そして、今大会の最終順位決定に非常に大きな影響がある3次予選。
スケルツォ 第3番では、優れたppと迫力あるffで音楽性豊かなコントラストを生み出しました。
4つのマズルカ Op.33では、ポーランドの香りのするメロディーを歌わせます。
3次の締めは、ピアノソナタ 第3番。
強弱、硬軟などの変化が大きく美しい音色と深みある表現力に惹き込まれました。
大きな拍手に包まれ、すっかりファンも定着。
そして、ファイナルへ!
ここまで来たら、もう頂点まで駆け上がってください!
応援しております!
進藤実優さんのここまでを振り返り
1次予選では、手の甲を上げた独特の弾き方から、美しい宝石の欠片のようなノクターン Op.27-2を響かせました。
ワルツ 第2番は「ここでこう弾いてほしい!」という期待を、最上級の形で実現してくれる演奏。
エチュード Op.25-6は、素晴らしいテクニックの上に独自の音楽性があり、魅了されました。
バラード 第4番の演奏後は、大歓声と鳴り止まぬ大拍手。
そして臨んだ2次予選は24のプレリュード全曲に挑まれました。
指レガートをせずに、ペダルと音の響きを計算してレガートに聴こえるテクニックは神業です。
さらに多彩な音で魅力的に響きました。
英雄ポロネーズは、ポーランドの誇りと郷愁が伝わる熱演。
清潔感ある躍動感は清々しく、弾き終わるやいなや、大歓声とスタンディングオベーションに包まれました。
3次予選は、進藤さんの強みがいかんなく発揮されました
マズルカ Op.56では詩情あふれる表現がお見事。
ソナタ 第2番「葬送」。
超絶技巧と明暗の切り替えに魅了されました。
予想を上回る絶品の演奏に、曲間にもかかわらず思わず客席から拍手が出るほど。
最後はアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。
装飾音がキラキラとこぼれ落ち、着地のはっきりした美しいポロネーズでした。
満場の拍手と歓声の中で幕を閉じました。
前回の大会では3次予選敗退でしたが、リベンジ大成功。
格段にレベルアップされ戻ってこられました。
ファイナルも期待しております!
ファイナル概要
10/3からはじまった本大会の1次予選・2次予選・3次予選を経て、本大会ファイナルの進出者が出揃いました。

ファイナルは、10月18日から3日間でおこなわれます。
通常、ファイナル進出者は10名ですが、今大会では本大会3次予選時点の第10位と第11位が同じ点数だったようで、11名がファイナルに進みました。
課題曲は、伝統的にファイナルで演奏されてきた
ピアノ協奏曲 第1番 Op.11
または
ピアノ協奏曲 第2番 Op.21
いずれかに加え、今大会では
幻想ポロネーズ Op.61
が、ファイナリスト全員必須となりました。
これによりファイナルは、
独奏曲《幻想ポロネーズ》+ピアノ協奏曲
という、二部構成の演奏プログラムになります。
ファイナルの課題曲については、過去の記事でくわしく解説しています。
ぜひファイナルまでにご覧ください!
【ファイナル課題曲】ピアノ協奏曲 第1番・第2番をわかりやすく解説
【新課題曲】幻想ポロネーズとは?ファイナルの勝敗を左右する名曲を徹底解説!
賞と賞金・特別賞について
入賞は第1位から第6位までです。
第1位の賞金は60000ユーロ。
1ユーロ175円で日本円に換算すると第1位の賞金は約1050万円です。
第2位 40,000ユーロ(約700万円)
第3位 35,000ユーロ(約613万円)
第4位 30,000ユーロ(約525万円)
第5位 25,000ユーロ(約438万円)
第6位 20,000ユーロ(約350万円)
第7位から第11位のファイナリストにも一律8000ユーロ(約150万円)の賞金が授与されます。
また、特別賞として、次の賞が用意されています。
コンチェルト賞
マズルカ賞
ポロネーズ賞
ソナタ賞
バラード賞
最終順位の決め方と“微調整”の余地
今大会では、1次予選からファイナルまで、各審査員はコンテスタントの演奏に対して1〜25点の点数をつけています。
そして、最終順位は、ファイナルでの演奏の点数だけではなく、1次予選・2次予選・3次予選での点数もあわせて考慮して、累積点で決定されます。
「どれだけ過去のラウンドの点数が考慮されるか?」が、重み付けです。
最終順位を決める際の重み付けは
1次予選 10%
2次予選 20%
3次予選 35%
ファイナル 35%
となっています。
3次予選の割合がファイナルと同じだけあるのが驚きです。
ファイナル終了後、「累積点の高い順+コンテスタント名」が審査員に示されます。
審議を経て審査委員長は“授賞案”を提示します。
審査員の3分の2以上に承認されれば順位が確定となります。
さらに、審査員の3分の2以上の賛成で「最終順位を1つだけずらす」ことが可能です。
これは例えば「累積点では第2位だった人を第1位にする」というようなことです。
2つずらすには、審査員の4分の3以上の賛成が必要です。
ここまでの過程では、コンテスタントの名前を伏せて累積点で客観的にラウンド進出者を選んできました。
ファイナルではなぜ最後に主観に基づく“順位の入れ替え”があるの?
と気になる方もおられると思います。
生演奏の芸術性は数値化しきれない面があるため、客観的な累積点と主観的な音楽性の両面から最終的な評価を導き出せる設計となっています。
特別賞は“3・2・1点方式”
なお、ポロネーズ賞やマズルカ賞など、特別賞は累積点とは別枠です。
各審査員が、
1位 3点
2位 2点
3位 1点
と、特別賞ごとに3名のコンテスタントを指名します。
ファイナルに残れなかったコンテスタントも指名できます。
通常のラウンド審査では審査員は弟子を審査できませんが、そのルールも特別賞には該当せず、特別賞の点数は弟子にも付けられます。
特別賞は最多得点者に授与されますが、“審査員数の2倍以上の得点が必要”という条件があります。
つまり、今回は審査員が17名なので、最多得点者かつ、34点以上を獲得した場合にのみ、特別賞が授与されます。
まとめ
本大会3次予選の結果発表とファイナルの審査方法・賞と賞金・特別賞について、順に解説しました。
いかがでしたでしょうか。
前回の第18回大会では反田恭平さんが第2位、小林愛実さんが第4位に入賞し、日本中が歓喜に包まれました。
今回はどのようなドラマが待っているのでしょうか。
つい結果も期待してしまいますが、桑原志織さん・進藤実優さんが、これまでの練習の成果を出し切り、悔いの残らない演奏ができることを心よりお祈りしております。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。











