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【速報】中川優芽花さん、進藤実優さんの演奏を聴いた感想〜本大会1次予選編 | 第19回ショパン国際ピアノコンクール

2025.10.08

ショパン国際ピアノコンクール、本大会5日目に、中川優芽花さん、進藤実優さんが登場されました。

演奏プログラムの簡単解説と演奏を聴いた私の感想を速報でお届けします。

中川優芽花さんの演奏を聴いた感想

中川優芽花さんはドイツ生まれ。

イェネー・タカーチ国際コンクール(2018)、ロベルト・シューマン国際コンクール(2019)でそれぞれ優勝

2021年にはクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝および聴衆賞を受賞。

直近では、予備予選の直後におこなわれたエリザベート王妃国際音楽コンクールでセミファイナルまで進出されています。

エリザベートでは古典派から近代曲まで素晴しい演奏を堪能させていただきました。

中川さんの感性は、どの時代の曲でも研ぎ澄まされていて、しかも押し付けることなく、スーッと入って来ます。

「日本人離れの音楽性」「深い打鍵」と評され、ヨーロッパ各地のホールでオーケストラや室内楽団と共演を重ねています。

彗星のごとく現れ、行く先々で絶賛を浴びる中川さん。

今大会、大注目です!

ここからは演奏を聴いた私の感想をお話します。

なお、大会の様子はショパン国際ピアノコンクールの公式YouTubeチャンネルで配信されます。

ぜひご覧ください。

舞台袖の中川さんは、ダンスをするようにイメージトレーニングしていらっしゃいました。

指揮をしているようにも見えました。

軽く身体をほぐす方や、頭の中で音を鳴らしている方はいらっしゃいますが、踊るイメトレは、はじめて拝見しました。

好奇心旺盛で活発な子供だったというお姿を垣間見た気がします。

黒のパンツ姿が小柄な中川さんにお似合いです。

ネックレスは知る人ぞ知るヴァン クリーフ&アーペル!

ピアノはシゲルカワイです。

ノクターン ロ長調 Op.62-1

ノクターン ロ長調 Op.62-1」については牛田智大さんも大会初日に演奏されました。

作品解説は牛田さんの演奏の感想記事をご覧ください。

また、牛田さんの演奏プログラムは全曲、さらに詳しい解説を別記事で共有しています。

ご興味のある方はこちらもあわせてご確認ください。

中川さんは、繊細な音に魂を込めて弾かれました。

鍵盤から離れた位置からタッチしても、ちゃんと美しいppが鳴ります。

指のコントロールが絶妙なのでしょう。

トリルは高速かつ極小で息を呑むように美しかったです。

エチュード 嬰ト短調 Op.25-6

エチュード 嬰ト短調 Op.25-6

3度の重音のエチュードです。

ショパンの全エチュードの中でもトップクラスに難しいと、広く認識されています。

専門家からは

「大半の人には最初の1小節ですらまともに弾くことは不可能」

とまで評されているほどです。

最大の難所は、3度(長短三度)の重音による高速な音階パッセージが休みなく続く点です。

片手で常に2音を同時に押さえる重音奏法は非常に難度が高く、とりわけ3・4・5指(中指・薬指・小指)といった弱い指を酷使するため高度なコントロールが要求されます。

指がもつれて崩れやすい曲であり、一瞬の気の緩みも許されません。

また、左手も広い音域を跳躍する伴奏を担い、両手の独立した緻密な動きが必要になるため、総合的な技術力が試されます。

これ以上は無理というくらいの高速で、しかも表情豊かです。

まさに神業です!

惹き込まれて、あっという間に演奏が終わりましたが、次の瞬間、中川さんはもうワルツの顔になっていました。

ワルツ 第2番 変イ長調 Op.34-1

ワルツ 第2番 変イ長調 Op.34-1」については小林海都さん、桑原志織さんも演奏されました。

作品解説は小林さん、桑原さんの演奏の感想記事をご覧ください。

中川さんのワルツ第2番は、小林さんとも桑原さんとも違う味わいですが、個人的には一番楽しかったです。

中川さんはヨーロッパで生まれ育っただけあって、独特のリズム感と音楽性を感じました。

今までに見過ごしていた内声がくっきり出されているのも新鮮でした。

テンポや間の取り方もジメジメしたところがなく、カラッとさわやかです。

1箇所、ちょっと目立つ音ミスがあったのが惜しかったですが、とても素敵な音楽だったと思います。

バラード 第3番 変イ長調 Op.47

バラード第3番 変イ長調 Op.47」は、ショパン31歳頃に作曲・出版された、バラード全4曲中唯一最後まで明るい調性の作品です。

そっと幕が上がるような短い序奏のあと、左手が舟歌のように揺れ、右手がそれに乗って伸びやかな主題を語り出します。

明るい音楽が展開される中に、陰影を帯びた別世界への寄り道が巧みに織り込まれています。

ひそやかなささやきがだんだん熱を帯び、気がつくと胸の高鳴りが止まらない…

そんな高揚の作り方が実に見事です。

光と影のせめぎ合いを経て、主題が晴れやかに戻り、笑顔で締めくくられます。

ワルツが終わった中川さんは、今度はもうバラードのお顔に…。

中川さんは顔の表情から次にどんな音が来るのかがわかるので、そこも個性的な魅力です。

バラード3番はダイナミックな演奏で観客を魅了させました。

弾き終わると大拍手がおきましたが、中川さんはお辞儀をしたあと意外とあっさり舞台袖に引っ込んでしまいました。

少し不本意なところがあったかもしれません。

次のステージに進めると信じて応援しています!

進藤実優さんの演奏を聴いた感想

進藤実優さんは愛知県大府市出身。

ロシア・モスクワ音楽院付属中央音楽学校を経て、現在はドイツ・ハノーファー音楽大学で研鑽中。

ショパンコンクール2021年本大会で3次予選進出を果たし、19歳とは思えぬ成熟した演奏が高く評価されました。

2025年大会でも、ショパン国際コンクール in ASIAの第6回派遣コンクールで特別推薦を受け、予備審査免除からの予備予選突破で2大会連続の本大会進出を決めています。

舞台袖ではなく、部屋でイメトレをされていた進藤さん。

来ていた上着を畳んでいたところに名前を呼ばれ、そのまま舞台へ向かわれました。

胸元と背中、袖がレース仕立ての黒いロングドレスです。

トレードマークのロングヘアは前回はストレートでしたが、今回は少しウェーブがかかっています。

あどけなかった少女の成長が感じられます。

ピアノはスタインウェイ

ノクターン 変ニ長調 Op.27-2

前回大会のノクターン枠は重めの「ハ短調 Op.48-1」を弾かれました。

ノクターン 変ニ長調 Op.27-2」はショパン25歳頃の作品で、Op.27-1 嬰ハ短調と対になっていて、「2つのノクターン」として演奏されることがあります。

この作品単体としてはノクターンの中でも最高峰と言われ、人気が高く演奏機会も多いです。

変ニ長調は黒鍵が多く、音が丸くやわらかく響きやすい調性で、夜の静けさにそっと灯りをともすような曲です。

思い出を辿りながら、ときに微笑み、ときに胸の奥がふっと痛むような時間が流れます。

甘美な旋律は幸せいっぱいと思いきや、次の1音で突き放されるというような、人間の心理状態を表しているようです。

細やかな飾りや高音のきらめきが、思い出に光の粒をふりかけるように響き、最後は余韻を残して静かに閉じます。

進藤さんは手の甲を上げた独特の弾き方をされます。

その指先から美しい宝石の欠片のような音がこぼれ落ちました。

音楽が心にじわっと染み込み、浄化されるようです。

ワルツ 第2番 変イ長調 Op.34-1

ワルツ 第2番 変イ長調 Op.34-1」については小林海都さん、桑原志織さんも演奏されました。

作品解説は小林さん、桑原さんの演奏の感想記事をご覧ください。

メロディーと伴奏の音色の比率が抜群で、とても上品で素敵なワルツでした。

中川さんのワルツ第2番も大好きですが、私が今までイメージしていたのは、まさに進藤さんの演奏です。

ここでこう弾いてほしい!と思ったところは、最上級の形で現れます

正統派で構成もわかりやすく、しっかり伝わってきました。

エチュード 嬰ト短調 Op.25-6

エチュード 嬰ト短調 Op.25-6」については中川優芽花さんも演奏されましたね。

記事の前半で解説済みなので、早速私の感想に入ります。

この曲は進藤さんは前回大会でも弾かれています。

演奏に入る前の空気感が神聖でした。

右手と左手にそれぞれに独自の音楽性があり、寄り添ったり遠ざかったりしながら一つにまとまるのがすごいです。

どの曲を弾かれても進藤さんだとわかる音色があるというのは、素晴らしい強みであると感じました。

バラード 第4番 へ短調 Op.52

バラード 第4番 へ短調 Op.52」についても桑原志織さんが先に演奏されています。

作品解説は桑原さんの演奏の感想記事をご覧ください。

進藤さんの弾き方を見ている限り、ベタベタのレガートではないのに、音はきれいに整って流れていくのが不思議です。

難曲をわかりやすく読み解いてくれるような演奏は、気がついたら終盤を迎え、感動のうちに終わりました。

間髪入れずに大歓声!

鳴り止まぬ大拍手となり、進藤さんは何回もていねいにお辞儀をされていました。

おそらく2次予選に行かれるでしょう!

次のステップ

本大会1次予選は、現地ポーランド時間で10月7日の夜までおこなわれます。

日本時間では時差が7時間あるので、10月8日の早朝までおこなわれます。

その後、審議を経て1次予選通過者が発表されますが、日本時間では10月8日中には発表されるのではないかと思います。

1次予選の通過者は40名ですが、前回大会では少し上回り45名が通過しました。

2次予選は1次予選の結果発表の翌日、10月9日から4日間おこなわれます。

3次予選に進むことができるのは20名です。

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Pianeys(ぴあにーず)
物書きピアニスト

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。

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