【奥井紫麻】ブゾーニで世界に挑む!ロシア留学を経た彼女の、驚きの才能に迫る〜注目の日本人ピアニスト
今回は8月末にあるブゾーニ国際ピアノコンクールのファイナルラウンドに出場する注目の日本人ピアニスト、奥井紫麻さんをご紹介します。
感性、歌心、技術のすべてに恵まれた稀有な存在と評される彼女の驚くべき才能と魅力に迫ります。
ブゾーニ国際ピアノコンクール概要
ブゾーニ国際ピアノコンクールを簡単にご紹介します。
1949年、フェルッチョ・ブゾーニの没後25年を記念してイタリア・ボルツァーノで誕生したこのコンクール。
マウリツィオ・ポリーニやマルタ・アルゲリッチ、アルフレート・ブレンデルなど、後に巨匠となるピアニストが数々と羽ばたいていった伝説の舞台です。
最新の2024–25大会は次のフローで進行します。

奥井さんはファイナルラウンドへの進出が決定しています。
選ばれた33名は、2025年8月27日にボルツァーノへ集結し、2週間に及ぶファイナルラウンドが開幕。
ファイナルラウンドでは、まずソロ部門で必須のブゾーニ作品を含む25〜30分のプログラムを披露します。
奥井さんのブゾーニでの演奏日時は、現地時間で、8月27日(水)20時30分から演奏予定です。
日本との時差は7時間ですので、日本時間では8月27日(水)深夜3時30分からです。
くわしいコンクールの紹介は前回の記事をぜひご覧ください。
それでは奥井紫麻さんの人物像に迫っていきますね。
幼少期とピアノとの出会い
奥井紫麻さんは2004年5月生まれ。
まだ21歳という若さながら、すでに世界各国の名だたる舞台で輝かしい実績を残されています。
ピアノを始めたのはピアニストとしては遅めの5歳半のとき。
きっかけは意外にもクラシックバレエでした。
3歳からバレエを習っていた奥井さんですが
「バレエは音楽と一緒に踊るもの」
「音楽がわかっていた方がいい」
というお母様の考えでピアノを始めたそうです。
そのうち、譜読みして新しい曲が弾けるようになる楽しさにのめり込み、バレエよりもピアノに集中するようになりました。
「練習が大好き。」
「新しい曲を学ぶのが楽しくてたまらない」
と語る奥井さん。
その情熱は今も変わりません。
音楽家への道
ピアニストへの憧れが強まったのは7歳のとき。
モスクワを訪れチャイコフスキー国際コンクールのファイナルを聴いた経験が大きく影響しました。
そこで優勝したダニール・トリフォノフの演奏に深く感銘を受け、今でも彼を理想のピアニストであり音楽家と語ります。
同じく7歳から指揮者ウラディーミル・アシュケナージの妹で武蔵野音楽大学の客員教授として来日していたエレーナ・アシュケナージに師事しています。
奥井さんによると、エレーナ先生は非常に情熱的な指導者で、子どもであっても妥協せず最高レベルの演奏を引き出そうとされたそうです。
上達するまでレッスンを終わらせない姿勢から、ときにはレッスンが3時間も続くことがあったといいます。
音楽に関しては厳格な姿勢を貫きながらも、レッスン外では温かく、まるで祖母のように接してくれる二面性を持った恩師だったと奥井さんは懐かしく語っています。
世界デビューと活躍
奥井さんは8歳でオーケストラと初共演を果たしました。
その後も順調にキャリアを積み上げ、2013年、9歳のときにはロシア国営文化テレビ主催「若い音楽家のための国際TVコンテスト “くるみ割り人形”」に出場。
当時彼女は小学校3年生。
その圧倒的な演奏技術と表現力に、審査員たちも思わず聴き入ってしまったといいます。
結果、ピアノ部門第2位および全部門総合聴衆賞という輝かしい成績を収めました。
ロシア留学と音楽的成長
12歳でロシアに留学し、モスクワ音楽院付属 中央音楽学校で学ぶ決心をした奥井さん。
幼い頃からロシア音楽に魅了されていた奥井さんにとって、ロシアへの留学は自然な選択だったようです。
彼女が愛してやまないのは、モスクワの文化的な豊かさです。
街のあちこちで音楽や演劇が日常的におこなわれ、芸術が生活に溶け込んでいる環境に強く惹かれたと言います。
また、奥井さんはロシアの人々の温かさにも心を打たれたそうです。
少し会話を交わすと優しさが溢れ出てくるロシアの人々の温かみを大切にしているようです。
しかし、留学生活は楽しいことばかりではありませんでした。
特に最初のころは、音楽以外の科目をすべてロシア語で学ばなければならず、言葉の壁に直面することも多かったといいます。
もちろん現在はロシア語は堪能で、文学作品も原語でたくさん読まれているそうです。
輝かしい実績
2015年10歳で、第1回クライネフ・モスクワ国際ピアノコンクールジュニア部門最年少第1位。
2016年11歳で、モスクワ国際グランドピアノコンクールジュニア部門最年少第1位。
目覚ましい活躍です。
彼女の11歳の演奏をMedici.tvで視聴したエフゲニー・キーシンが
「この年齢でこれほどまでに音楽を理解して感じることができ、楽器を自由に操ることができるとは、ただただ驚いた」
と絶賛しています。
12歳でワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団と共演した奥井さん。
7歳でコンクールを聴きに行ったときから
「いつかゲルギエフさんと一緒に演奏したい」
と夢見ていたことが実現した瞬間でした。
15歳にはベルリン・フィルハーモニーをはじめとするヨーロッパの著名ホールにデビューし、世界の一流ホールで演奏する夢も次々に実現させてきました。
ロシア・ピアニズムと音楽観
奥井さんのピアノ演奏の根底には、ロシア・ピアニズムの哲学があるようです。
彼女が大切にしているのは、単なる技術ではなく、音楽を通して心から「歌う」こと。
彼女によれば、この表現力を磨くには美しいレガートの習得や、響きを繊細に捉える耳の訓練が欠かせないのだそうです。
奥井さんは特にチャイコフスキーやラフマニノフなどのロシア作曲家の作品に対して並々ならぬ愛情を持たれています。
これらの作品に特徴的な、深い呼吸から生まれる雄大なメロディラインを表現する際の豊かな歌心に魅了されているといいます。
興味深いのは、奥井さんがロシア音楽とロシア語の関係性にも着目していることです。
言語のリズムや抑揚が音楽表現と結びついているという考えから、ロシア文学にも親しみ、より深い音楽理解を追求されています。
こうした姿勢は、彼女が敬愛するエレーナ・アシュケナージやタチアナ・ゼリクマンといった恩師たちから学んだものでしょう。
現在の活動と未来
2023年にロシアのグネーシン特別音楽学校を首席で卒業された奥井さんは、現在はスイスのジュネーヴ高等音楽院でネルソン・ゲルナーに指導を受けると共に、引き続きグネーシン音楽大学でタチアナ・ゼリクマンに師事されています。
グネーシン特別音楽学校卒業後の進路として、当初はモスクワ音楽院への進学も視野に入れていたそうですが、国際情勢の不安定さを考慮し、スイスのジュネーヴへと活動拠点を移すことを選択されました。
現在は、ジュネーヴを中心に、モスクワや日本を行き来しながら音楽活動を続けておられます。
彼女によれば、この環境変化が新たな音楽的刺激をもたらしているようです。
新しい指導者から受ける異なるアプローチの指導が、演奏の幅を広げることにつながっているといいます。
また、奥井さんの興味は音楽的にも地理的にも広がりを見せており、フランス語の習得やフランス音楽の研究にも意欲を示されています。
ロシアで育んだ音楽性に、新たな文化的要素を取り入れようとしている姿勢からは、さらなる成長を目指す彼女の前向きな姿勢が感じられます。
まとめ
日本が世界に誇る若き才能、奥井紫麻さん。
彼女の音楽の旅に、これからも注目していきましょう。
ブゾーニでのご活躍をお祈りしております!
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。











