モーツァルト傑作5選!セミファイナルの課題協奏曲を徹底解説〜仙台国際音楽コンクール ピアノ部門
第9回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門、セミファイナル直前!
セミファイナルの課題曲はモーツァルトの協奏曲。
5つの協奏曲のうち1つを選んで仙台フィルハーモニー管弦楽団と演奏します。
今回は、セミファイナルの演奏順を確認しつつ、セミファイナリストがどの協奏曲を選んでいるのか、そして、その曲がどんな曲なのかを徹底解説します。
セミファイナル 演奏順&課題曲選択
さて、3日間にわたるセミファイナルの演奏順と演奏予定の協奏曲を早速確認していきます。
第1日目の演奏順は次のとおりです。

第1日目は18:00〜20:30頃までですね。
日本から島多璃音さんが2番手で出られます。
選択曲は、K459が1名、K453が2名、K456が1名です。
続いて、第2日目の演奏順も確認します。

第1日目は18:00からでしたが、第2日目以降は14:00スタートですのでライブ配信を楽しみにされている方はご注意ください。
日本からは小野寺拓真さんが最後に演奏されます。
選択曲は、なんとK453が3名、K450が1名です。
K453の人気が高いですね。
第3日目も確認しましょう。

この日も第2日目同様、14:00スタートです。
日本からは大注目の天野薫さんが最後に演奏されます。
楽しみですね。
選択曲はK459が1名、K450が1名、K453が2名です。
全体を見ると、最も選ばれている課題曲は圧倒的にK453ですね。
なんと、12名のうち7名が、K453を選択されています。
K451を選ばれた方はいらっしゃいませんね。
続いて、5つの課題曲を順にくわしく見ていきます。
知って聴くと、よりセミファイナルを楽しめると思いますよ。
5つの課題曲
セミファイナルの課題曲に選ばれた5つの協奏曲は、いずれも1784年、28歳のモーツァルトが創作の絶頂期に連作した第15番から第19番です。
1年の間に書き上げられたのは第14番から第19番の6曲ですが、第14番を除く5曲が、今回の課題曲となっています。
どの作品もモーツァルト自身の公開演奏会で披露する目的で作曲されたため、ピアノとオーケストラの対話、斬新な管弦楽法、聴衆を魅了する劇的設計が際立ち、今日でも協奏曲芸術の到達点と評されます。
各曲を詳しく見ていきます。
ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450
モーツァルトが父・レオポルトに「演奏するのが大変で汗をかく」と伝えたほどの難曲です。
エリザベート王妃国際コンクールで、第5位入賞の亀井さんとファイナリストの吉見さんがともに選曲されたということでお分かりの通り、ヴィルトゥオーソの華麗な表現力が求められます。
冒頭では木管楽器も加わった晴れやかなファンファーレが鳴り響き、その後ピアノが登場すると、即興風の華やかな装飾音が次々に繰り出されます。
第2楽章は変奏曲の形式で、独奏ピアノとオーケストラが交互に主旋律を装飾しながら深みを増していきます。
最後の楽章であるロンドでは、細かい16分音符の華やかなパッセージが勢いよく駆け抜け、明るく上品な雰囲気と高い技巧性が同時に感じられます。
ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調 K.451
第15番を完成させてから、わずか1週間で初演の準備が進められたという、非常に速いペースで作られた作品です。
弦楽器に加え、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン、トランペット、ティンパニといった当時としては最大規模の楽器編成が用いられ、色彩豊かな響きが特徴です。
第1楽章では力強い主旋律と美しい副旋律が重なり合い、モーツァルト自身が書いた長くて高度なカデンツァが、演奏技術の頂点を示しています。
歌うような表現にあふれた第2楽章や、終楽章の最後でリズムが8分の3拍子に切り替わるなど、構成の中にちょっとした遊び心も見られます。
ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
ムクドリがこの曲のメロディーをまねて鳴いたというエピソードで知られ、鳥のさえずりを思わせる木管楽器の掛け合いが印象的です。
第1楽章では、弦楽器と木管楽器が透き通るような主旋律を奏で、ピアノが優雅な旋律を展開させていきます。
第2楽章はハ長調、3拍子で書かれ、静かで澄んだ歌のような旋律が徐々に変化していきます。
この楽章は作曲家メシアンが「モーツァルトの作品で最も美しい」と称賛しました。
終楽章は、主題と5つの変奏、それに続く締めくくりの部分からなるロンド形式で、テンポがどんどん速くなり、演奏の盛り上がりが最高潮に達します。
歌のようなフレーズと急な雰囲気の切り替えが重なり、小さなオペラを思わせるような表現が生まれます。
ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456
明るさと陰りが入り混じり、何度聴いても新たな魅力が見つかると評されます。
行進曲のような第1主題のあとに続くピアノのパートでは、軽やかな跳ねるような動きや半音ずつ動くフレーズが、華やかに響きます。
第2楽章(ト短調)では、静かで少し物悲しい主旋律が5つのバリエーションを通して深みを増していき、悲しみから希望へと移り変わっていく音の色合いが見事です。
最後のロンド形式の楽章では、変ロ長調に戻りながらも途中で珍しくロ短調に転調することで緊張感が生まれ、ユーモアとスリルが入れ替わるように現れます。
ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K.459
古典派音楽の整った美しさの中に、モーツァルトの独自の工夫が生きている協奏曲です。
第1楽章は行進曲のような力強い雰囲気で始まり、木管楽器が明るく飾るのに対し、ピアノは和音の流れや、リズムを変化させながら応じ、全体で活発なやりとりを作り出します。
第2楽章は子守歌のように穏やかで、6/8拍子の優しく揺れるリズムが特徴です。
途中に短調に変わる部分があり、曲全体に深みを加えています。
最後の楽章(ロンド)では、最初のメロディーが前に押し出すように始まり、何度も元に戻ってきます。
途中にはフーガのような複雑な構成も登場し、緊張感が高まります。
1790年、神聖ローマ皇帝レオポルト2世の戴冠式でモーツァルト自身がこの曲を演奏したことから、「第2戴冠式」とも呼ばれています。
以上、この5つの協奏曲は、28歳のモーツァルトがこのジャンルで到達した、成熟した知性と感性を存分に発揮した作品です。
演奏する人には、速いパッセージを正確に弾く技術だけでなく、オペラの登場人物のように性格や雰囲気を瞬時に切り替える表現力、木管楽器と細やかに息を合わせるアンサンブルの感覚、そして1784年のウィーンに広がっていた華やかな社交界の雰囲気を思い起こさせるきらめきを再現する力が求められます。
どの曲を選んでも演奏の難しさや表現の深さが問われるため、審査員は各コンテスタントの音楽的な成熟度や個性を比較しやすくなっています。
聴衆にとっても、同じ時期に作られた5曲の細かな表現の違いを聴き比べることができる、貴重な機会となるでしょう!
まとめ
セミファイナルの演奏順と課題曲であるモーツァルトの協奏曲を5つ解説しました。
あなたはどの協奏曲が気になりますか??
6/20〜6/22のセミファイナル、全力で応援&楽しみましょう!
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