【歴史的瞬間】吉見友貴さんの世界初演に鳥肌!「王子」圧巻演奏で拍手喝采!〜エリザベート王妃国際音楽コンクール2025
エリザベート王妃国際音楽コンクール ファイナルに吉見友貴さんが登場!
演奏についての感想をお届けします!
吉見さんは、日本時間で5月26日(月)深夜3時15分から次の2曲を演奏されました。
クリス・デフォート:Music for the Heart(新作課題曲)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26
特に注目すべきは、吉見さんが新作課題曲の世界初演者となる栄誉を担うことです。
吉見さんは
「演奏家よりも『音楽』が上にいないといけない」
という言葉を残されています。
作曲家クリス・デフォート氏の意図を丁寧に読み解き、音そのものに真摯に向き合う吉見さんの演奏は、作品の初めての息吹を世界に伝える貴重な瞬間となるでしょう。
クリス・デフォート:Music for the Heart
クリス・デフォート氏はベルギー生まれの作曲家です。
ジャズピアニストとして活動しながら、中世・ルネッサンス〜バロック時代の音楽とジャズを融合させるなど、新しい試みで評価されています。
デフォート氏は
「私はコンクールのために作曲したのではありません。私にとって重要なのは、候補者たちが自分たちの個性を表現することです」
とおっしゃっています。
2007年のエリザベートコンクールでも、新作課題曲を提供しています。
アメリカ・ボストンのニューイングランド音楽院大学院で研鑽を積んでいる吉見さんは、デビューアルバムにガーシュウィン=ワイルドのジャズの定番曲を収めていらっしゃいます。
ジャズの本場アメリカで生活されていることが、きっとプラスになったことでしょう。
12名の先陣を切って初見の楽譜と格闘されたわけですが、本番の前のオケとのリハーサルまでに形になっていなければならないので、練習は正味5日間ほどでしょう。
もちろんピアノパートだけではなく、管弦楽パートも頭に入れなくてはいけないので、気が遠くなりそうです。
ファイナリストにとって、新曲に取り掛かる日数が公平であるということは素晴らしい配慮です。
超天才集団の彼らにとっての1日は、私たちの数年にあたるかもしれません。
ちなみに、吉見さんは2日間で暗譜されたそうです。
演奏を聴いた感想
とても素敵なホールで、まずここで演奏できることがピアニストにとって至福のときでしょう。
正装の審査員の方々が登場されてから、国王・王妃両陛下が貴賓席にお立ちになられました。
その後、大野和士氏指揮で、ブリュッセル・フィルが国歌を演奏しました。
すっかりおなじみになったおしゃれな司会者のアナウンスで、吉見さんが上手から登場。
緊張感が漂っていますが、それ以上に頭の中が新曲で一杯だったのでしょう。
指の震えなどは全くなく、全集中されていたことが最初の第1音でわかりました。
曲は2曲あり、第1曲目はバロック期の作品に見られるオスティナート技法が使われています。
オスティナートとは反復する音程やリズムの奏法です。
この曲ではソ♭ラ♭が静かに繰り返されていて、幻想的な中にも強い情感が秘められています。
吉見さんは1音1音、丁寧に魂を込めて演奏されました。
まさに清廉という言葉が当てはまります。
2曲目の管弦楽は少し和風な印象もありますが、ピアノはジャズのアドリブ演奏のようで、その2つが美しく重なっています。
こちらは、より技巧的で華やかな印象です。
超絶技巧もこなす吉見さんの音色が光ました。
最後は、再びオスティナートの2音が響き、静かに幕を閉じます。
トップバッターなのでコンクールの演奏順としては少し不利だったかもしれませんが、素晴らしい新作曲の初演者になられたことはこの上ない栄誉ですね。
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26
ロシアの作曲家プロコフィエフの30歳頃の作品で、ロシア的情感と西欧的洗練、古典的形式と近代的響きを巧みに融合させた傑作です。
1921年、亡命中のアメリカで完成され、自らの演奏で一躍注目を集めました。
亡命途中に日本に滞在していたこともあり、日本で見聞きしたリズムや日本音階も影響を与えています。
曲は三楽章構成で、静かな序奏から始まる第1楽章は、エネルギッシュでユーモアある展開が魅力。
第2楽章は親しみやすい主題による5つの変奏で構成され、幻想的・ジャズ的な要素も織り交ぜられています。
終楽章ではピアノとオーケストラが緊迫感ある対話を繰り広げ、圧倒的なエネルギーで締めくくられます。
音の表情が目まぐるしく移り変わり、魅力満載の本作品は、20世紀を代表するピアノ協奏曲のひとつです。
演奏を聴いた感想
吉見さんが初めてオーケストラと演奏した協奏曲で、その後も何度も演奏されている相性抜群の作品です。
「王子」と呼ばれるだけあって、このようなタッチの強い攻める曲でも音色が美しく品格が高いです。
深い分析力に危なげないテクニック
バランスの取れた的確なアクセント
多彩な音色、豊かな表現力
抜群のリズム感に運動神経の良さが感じられますが、それもそのはず、吉見さんは縄跳びの4重飛びもできていたらしいとのこと!
今回はこの協奏曲を選ばれた方が一番多いですが、その中で強く印象に残る奏者であってほしいと願っています。
演奏後は万雷の拍手喝采でした。
吉見さんも感無量という感じで、会心の出来栄えだったのではないでしょうか。
拍手が鳴りやまなかったため、カーテンコールに行こうとした吉見さんでしたがスタッフに止められました。
「うわ~危なかった」という感じで慌てて戻られ、実にチャーミングです。
こういうところにお人柄が出ますね!
オケの方々にも次々に「よかったよ、お疲れ様!」と声をかけていただいている様子が映り、愛されキャラ全開でした。
全体的な印象
「もっとも多くのことを求めるコンクールの一つ」
「全てが揃ったアーティストを探している」
と宣言しているだけあって、コンテスタントに無理難題が求められます。
新作のソロ曲だったり、新作の協奏曲だったり、弾くか弾かないかわからない膨大な曲を準備したり…。
エリザベートに出場される方は、まさにコンクールに立ち向かう挑戦者です。
特に吉見さんは、その挑戦にウキウキと立ち向かっているように見えました。
確実にコンクールと共に成長されている姿が頼もしいです。
お疲れさまでした!
今後のスケジュール
ファイナルは5月26日(月)〜31日(土)までの6日間、毎日2名ずつ演奏がおこなわれます。
残る日本人ファイナリストの演奏スケジュールですが、日本時間で、
5月30日(金)深夜3時15分から桑原志織さん
5月31日(土)深夜3時15分から亀井聖矢さん
5月31日(土)深夜4時15分から久末航さん
そして、日本時間で6月1日(日)早朝には、すべての演奏が終わった後に結果発表がおこなわれる予定です。
正式な表彰式は6月3日(火)に開催されます。
まとめ
吉見友貴さんのファイナルでの演奏の感想をお伝えしました。
トップバッターとして、素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
ファイナルは残すところあと5日間。
残す日本人ピアニストは3名。
引き続き全力応援です!
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。











