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【成長の軌跡】進藤実優さん、前回大会からの格段の進化を示すショパン予備予選〜ショパンコンクール2025

2025.04.28

ショパン国際ピアノコンクール予備予選で進藤実優さんが演奏されました!

演奏についての感想をお届けします。

進藤さんは4月28日、日本時間で1:30に演奏し、次の5曲を披露されました。

エチュード Op.25-11 イ短調「木枯らし」
エチュード Op.10-10 変イ長調
ノクターン Op.27-2 変ニ長調
スケルツォ 第2番 Op.31 変ロ短調
マズルカ Op.56-1 ロ長調

進藤さんは前回大会で、当時19歳という若さで本大会3次予選まで進出された実力者です。

進藤さんはロシアのモスクワ音楽院付属中央音楽学校で学んだ後、現在はドイツのハノーファー音楽演劇メディア大学で研鑽を積んでいます。

前回大会では

「ものすごく緊張して体の左半分がずっと震えていた」

と語っていた彼女が、4年の成長を経てどんな演奏を見せてくれたのか進藤さんの進化に大注目していました。

今回のプログラムは前回とは全く違う選曲でした。

演奏を聴いた感想

前回大会の本大会1次予選では、椅子のベストの高さを探しつつも、旋律を頭に思い描いているであろう演奏前の集中力が印象的でした。

そのときはお化粧もしていない、綺麗な黒髪のお嬢さんでしたが、1音目を弾いたときにガラッと世界が変わり、ずっと進藤さんの演奏に釘付けになったことを覚えています。

今大会ではネイビーブルーのドレスで登場されたときから、既に第1曲目への体制が整っているような印象でした。

大人っぽくなった進藤さん。

丁寧で自然な音楽は聴き心地がよく、今回もあっという間に魅了されました。

ノクターン Op.27-2 変ニ長調

この曲は亀井聖矢さんが23日に演奏されたOp.27-1 嬰ハ短調と対になっていて、「2つのノクターン」として演奏されることがあります。

この曲単体としては、ノクターンの中でも最高峰と言われるほどで、人気が高く演奏機会も多いです。

甘美な旋律は幸せいっぱいと思いきや、次の1音で突き放されるというような、人間の心理状態を表しているようです。

進藤さんは持ち味の安定感の上に、あるときは繊細で優雅に、あるときは強く深くなどのインスピレーションを音に落とし込んでおられました。

過分な物は何もなく、心の底に染みわたる演奏で期待通り素晴らしかったです。

スケルツォ 第2番 Op.31 変ロ短調

この曲は4つのスケルツォの中でも特に人気の高い、ショパンの代表作です。

この曲が生まれたショパン26歳頃、ショパンは社交界で成功していた一方で、婚約者との破局や健康不安など、心の内には孤独と葛藤を抱えていました。

ショパンの繊細さと内なる情熱を見事に表現したこの作品は、多くの聴き手に強い印象を残します。

進藤さんはそうした感情を、この曲の冒頭にある静寂から突如炸裂するような激しさに反映させて、見事に表現されていました。

激しさも決して荒々しくないのが進藤さんの特徴で素敵なところです。

「スケルツォ」は本来「冗談」や「戯れ」を意味する言葉ですが、進藤さんはこの曲に深い情熱と詩的な表現を込めていて、軽やかさよりも劇的な美しさが際立っていました。

曲は緊張と安らぎ、激しさと優しさなど、対照的な部分が繰り返されますが、この作品をよく知っているつもりでも、進藤さんが表現するその変化にはドキッとさせられ、演奏に惹きこまれます

最後はまるで感情の頂点に達するような勢いで締めくくられ、最高にカッコよかったです!

マズルカ Op.56-1 ロ長調

この曲はステップを刻む舞曲というよりも、広い空の下で少女たちが自由に踊っているような平和な印象があります。

2015年の第17回大会(前々回)でケイト・リウさんの演奏に魅了され、前回では反田恭平さんが弾かれて、改めてこの曲の魅力にはまりました。

今回の進藤さんの演奏は即興性があり、子どもたちが駆け巡るような自由なマズルカでした。

しかも知的で構成がしっかりしている進藤さんの持ち味も、しっかり反映されていました。

エチュード Op.10-10 変イ長調

26日に中川優芽花さんも演奏された曲です。

中川さんの演奏がとにかく素晴らしかったので、聴き比べが楽しみでした。

進藤さんもやはり只者ではありませんでした!

親指のメロディーがとても美しく歌えていて、難曲をここまでまとめられるのは流石です。

なお、亀井聖矢さんの演奏を聴いた感想中川優芽花さんの演奏を聴いた感想もレポートしていますので、ぜひご覧ください。

エチュード Op.25-11 イ短調「木枯らし」

23日に亀井聖矢さんがとても個性的で素敵に演奏されましたが、進藤さんはこの曲をラストに持ってこられました。

どんな演奏を聴かせてくれるのか興味津々でした。

進藤さんの右手は和声的変化のある分散和音を超高速で弾きながら、左手はそれにもめげずにドラマティックに展開していくという離れ業を、見事に成し遂げていらっしゃいました。

テクニックだけでなく、感情の激しさや詩的な美しさの表現力もすばらしかったです。

全体的な印象

進藤さんの音楽が確立していて、4年間の研鑽で一層成熟したものになっていました

豊かな表現力は奇をてらわず、安心感という風格も備わっています。

本大会には進まれるでしょう。

2024年~2025年のリサイタルでは、24の前奏曲Op.28、ソナタ第2番Op.35、英雄ポロネーズ、バラード第2番 Op.38、ワルツ第2番 Op.34-1などがプログラムにありました。

もっともっと聴いてみたいです!

特別推薦と今後の展望

進藤さんはショパン国際ピアノコンクール in ASIAの第6回派遣コンクールで特別推薦を獲得したことで、予備審査が免除され、今回の予備予選から参加されています。

前回大会では、申し込み締切のわずか数日前に「私はあなたのショパンが好きよ」というお母様の言葉に支えられて応募を決意したという逸話があります。

今回は4年の成長と経験を積んで臨む戦いです。

さらなる飛躍を期待したいですね!

進藤さんがこれからどのような演奏を見せてくれるのか、引き続き応援していきましょう!

まとめ

進藤実優さんのショパン予備予選の演奏の感想をお伝えしました。

今後も、ショパンコンクールの注目ピアニストたちの演奏の感想をお届けしていく予定です。

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物書きピアニスト

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。

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