クララ・ハスキル国際ピアノコンクール【2025年注目のピアノコンクール】
今回は2025年にスイスでおこなわれるクララ・ハスキル国際ピアノコンクールについて、お話しします。
このコンクールの2017年大会では藤田真央さんが、2021年大会では中川優芽花さんが、それぞれ優勝されており、日本人が過去に大健闘しているコンクールです。
コンクールの概要・スケジュール・課題曲とあわせて、歴代優勝者や入賞者についても深堀りしていきます。
ぜひ最後までご覧ください!
コンクール概要
クララ・ハスキル国際ピアノコンクールは、2年に1度、スイスのヴヴェイという街で開催される国際ピアノコンクールです。
音楽性・感性・品性・向上心をもった若手ピアニストの発掘を目的としています。
クララ・ハスキルというコンクール名は、1895年にブカレストで生まれ、1960年にブリュッセルで亡くなったルーマニア出身の女性ピアニスト「クララ・ハスキル」を讃えて付けられました。
クララ・ハスキルは戦争と病気に悩まされた生涯でしたが、古典派から前期ロマン派の演奏で名をあげ、室内楽奏者としても活躍しました。
特に、高雅で気品に満ちたモーツァルトの演奏に定評があります。
主にパリで演奏活動をしていましたが、ユダヤ系であったため、だんだん住みにくくなり、のちにスイスの国籍を取得しました。
コンクールの開催地であるヴヴェイは、ハスキルが1942年から亡くなるまで暮らした街で、現在も彼女の名前が付けられた通りがあります。
大量の音源が残されており、現在も人気は衰えていません。
大会スケジュール
続いて、クララ・ハスキル国際ピアノコンクールの大会進行フローをご説明します。

このコンクールは、2025年4月9日が参加申込の締め切りとなります。
エントリー資格は1997年12月31日以降に生まれたピアニストで、国籍は問いません。
最初の関門は、2025年4月下旬に行われるビデオ予選です。
各参加者が提出した演奏動画が審査され、上位26名までがクォーターファイナルへと進むことができます。
予選の結果は、5月6日までに発表されるとのことです。
クォーターファイナルからは、スイスのヴヴェイで公開演奏会として開催されます。
選ばれた演奏者たちは8月27日にヴヴェイに集まり、抽選で演奏順を決定します。
クォーターファイナルは8月28日〜31日にかけておこなわれ、ここから8名がセミファイナルへと進みます。
セミファイナルは9月2日〜3日の2日間で行われ、ここで3名のファイナリストが選ばれます。
そして9月5日、いよいよオーケストラとの共演によるファイナルが開催されます。
各段階で厳しい審査を経てピアニストが選抜されていきますが、このコンクールには特徴的なルールがあります。
それは、最終的な優勝者は1名のみで、賞の分割はないということ。
そして、審査員が求める基準に達していないと判断した場合は、優勝者を選出しないこともあります。
記念すべき第1回を含め、今までに6回も優勝が空位の大会がありました。
その場合はファイナリストが同列に並びます
課題曲
ビデオ予選
ビデオ予選の課題曲は2つあります。
1つ目は、モーツァルト作曲のピアノソナタから、最終楽章を1つ選んで演奏します。
ただし、『ソナタ第6番 ニ長調 ケッヘル284「デュルニッツ」』は選べません。
2つ目は、シューマン作曲「幻想小曲集 作品12」の中から3曲を演奏します。
ただし、第5曲「夜に」は必須です。
その他の2曲は、同じ作品集から自由に選べます。
クォーターファイナル
続いて、クォーターファイナルの課題曲です。
4つの作品を演奏します。
制限時間は55分です。
1曲目は、
J.S.バッハ作曲の平均律クラヴィーア曲集より任意のプレリュードとフーガ
または
ドメニコ・スカルラッティ作曲の対照的な2つのソナタ
から、いずれかを選択します
2曲目は、ハイドンの任意のピアノソナタ(全楽章)です。
3曲目は、指定されたベートーヴェンまたはシューベルトの作品から1つを選びます。
4曲目は、サム・パーキン作曲の約5分の委嘱作品です。
この委嘱作品の楽譜は2025年5月6日までに参加者へ送付されることになっています。
注意点としては、予選で演奏した曲は選べないこと、また、サム・パーキンの作品以外は暗譜が必要なことが挙げられます。
セミファイナル
続いて、セミファイナルの課題曲です。
セミファイナルでは2つの作品を演奏します。
1曲目は、ベートーヴェンのチェロとピアノのためのソナタ5曲の中から、1曲を選びます。
この曲は、チェリストのマルク・コペとのリハーサルが2回予定されることとなっています。
2曲目は、ソロピアノ作品から1曲または複数曲を自由に選択します。
演奏時間は最大30分までです。
ファイナル
最後に、ファイナルの課題曲です
ファイナルはオーケストラとの共演で、指定されたコンチェルトから1曲を選んで、全楽章を演奏します。
オーケストラとは2回のリハーサルが予定されています。
歴代優勝者・入賞者
歴代優勝者・入賞者の方々は、音楽界を牽引する名ピアニスト・音楽教授の方々です。
一部をご紹介させていただきます。
1965年大会
1965年大会では、ドイツのクリストフ・エッシェンバッハが第1位に輝きました。
幼少期は失語症になるほどの辛い経験をしましたが、その後の人生で音楽が彼の原動力となりました。
卓越した技術と音楽性、端正な顔立ちで、日本でも多くのファンを獲得しました。
世界的指揮者としても有名です。
1973年大会
1973年大会では、内田光子さんがファイナリストに輝きました。
内田さんはロンドン在住の世界的ピアニストで、特にモーツァルト、シューベルトの解釈、演奏には定評があります。
同年大会の優勝者、アメリカのリチャード・グードと共に、毎年夏に7週間にわたって開かれるクラシック音楽の祭典「マルボロ音楽祭」の芸術監督をされるなど、長年にわたり若手演奏家の成長を支援しておられます。
1975年大会
1975年大会ではフランスのミシェル・ダルベルトが第1位に輝きました。
1978年リーズ国際ピアノ・コンクールでも優勝を果たしています。
現代のフランスを代表するピアニストとして絶大な人気を博しています。
2001年大会
2001年大会ではドイツのマルティン・ヘルムヒェンが第1位に輝きました。
以降、さまざまな賞を獲得し、引く手あまたのピアニストとして世界的に活躍しています。
室内楽の演奏も積極的に行い、室内楽パートナーでもある妻のチェリスト・ヘッカーと共に、フリッセン国際室内楽音楽祭を創設し、芸術監督も務めています。
日本人ピアニスト
日本人の優勝は、1987年大会の坂上博子さん、2007年大会の河村尚子さん、2017年大会の藤田真央さん、2021年大会の中川優芽花さんの4人です。
藤田真央さんは、わずか18歳にして優勝し、聴衆賞をはじめ多くの特別賞を受賞しました。
2019年にはチャイコフスキー国際コンクールでも第2位を受賞し、全世界から注目を集め、愛されるピアニストとなりました。
まとめ
クララ・ハスキル国際ピアノコンクールは、音楽性・感性・品性・向上心を重視する、大変ユニークなコンクールです。
優勝者は1名のみで賞の分割はなく、ときには該当者なしという厳格な審査基準を持っています。
その分、受賞することの価値は非常に高く、歴代優勝者や入賞者は世界的な演奏家として活躍されています。
2025年大会は8月から9月にかけて開催され、世界中の若手ピアニストたちが、クララ・ハスキルの精神を受け継ぐべく、熱い演奏を繰り広げることでしょう。
Pianeysでもしっかり応援していきたいと思います。
ショパン国際ピアノコンクールに関連する記事はこちら↓↓
YouTubeでも情報を発信しています。
チャンネル登録をよろしくお願いします!

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。











