【ショパンコンクール in ASIA】ワルシャワにつながる注目コンクールを深堀り!
今回は来年のショパンコンクールにつながる注目のピアノコンクール「ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」について深堀りします。
ショパン国際ピアノコンクール in ASIAとは
「ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」は日本で主におこなわれるアジア限定のピアノコンクールです。
ポーランドで来年開催される「ショパン国際ピアノコンクール」は、プロフェッショナルを目指す世界最高峰の舞台ですが、ショパンコンクール in ASIAは、アマチュアや学生も参加でき、教育的側面もあります。
ショパンコンクールへの登竜門や準備段階として機能することもあり、両者は補完的な関係性とも言えます。
定例コンクールと派遣コンクール
ショパン国際ピアノコンクール in ASIAには、大きく分けて2種類のコンクールがあります。

1つ目は毎年開催される定例コンクールで、未就学児からプロを目指す方まで幅広い方々が参加できます。
レベルに応じていくつかの部門にわかれますが、最上級はプロフェッショナル部門です。
今年度は第26回で、2024年10月から地区大会がはじまり、2025年1月に全国大会(アジア大会)を迎えます。
これまでに、反田恭平さん、小林愛実さん、角野隼斗(かてぃん)さん、牛田智大さん、亀井聖矢さんほか、現在活躍しているピアニストの多くが全国大会で優秀な成績を収めました。
2つ目は、ショパンコンクールの開催年に合わせて実施される派遣コンクールです。
派遣コンクールがおこなわれる際は、プロフェッショナル部門はお休みとなります。
今年度はその年に当たります。
第6回派遣コンクール
第6回派遣コンクールは2024年8月から1次審査がはじまり、現在2次審査まで終了しています。
2025年1月13日、14日に3次審査があり、1月16日に最終審査がおこなわれます。
優秀な成績を収めたコンテスタントは、来年の第19回ショパン国際ピアノコンクールの予備審査(映像審査)が免除となり、予備予選から参加することができます。
派遣コンクールはショパン国際ピアノコンクールの参加が目的であるため、年齢制限など細かい規定は、同コンクールの参加規約に準じています。
2024年8月の1次審査参加者は56名でした。
第23〜25回ショパンピアノコンクール in ASIAのプロフェッショナル部門で金賞を受賞された方は、1次審査が免除されます。
2次審査には1次審査免除の2名が加わり、2024年9月に30名の方々が参加されました。
2025年1月に3次審査へ進むのは19名です。
注目のコンテスタント
第6回派遣コンクールでの注目のコンテスタントをご紹介させていただきます。
原沙綾さんと岩井亜咲さんは、お二人とも2021年のショパンコンクール本大会1次予選に出場された、実力のあるピアニストです。
お二人とも東京藝術大学大学院修士課程在学中で、よきライバルですね。
中島結里愛さんは、まだ中学3年生です。
ショパン国際ピアノコンクール in ASIA プロフェッショナル部門銀賞を、史上最年少で受賞されています。
この他、国内外のコンクールで優秀な成績を収めています。
西本裕矢さんは、東京藝術大学4年生です。
ショパン国際ピアノコンクール in ASIA アジア大会ソロ部門、および、コンチェルトA部門を史上最年少で優勝されたほか、2024年のショパンピアノコンクール in アメリカワシントンD.Cで第1位及びシマノフスキ賞を受賞されています。
進藤実優さんは、現在ドイツのハノーファー音楽演劇メディア大学で勉強されています。
2021年のショパンコンクール本大会3次予選での見事な演奏は、まだ記憶に新しいですね。
2022年のジュネーブ国際音楽コンクール・セミファイナリストほか、国内外で入賞されています。
山縣美季さんは現在パリ国立高等音楽院で勉強されています。
2020年の日本音楽コンクールピアノ部門の第1位で、しかも、野村賞、井口賞、河合賞、三宅賞、アルゲリッチ芸術振興財団賞などを、併せて受賞されている実力者です。
ちなみに、前回の第5回派遣コンクールでは、進藤実優さん、古海行子さん、黒木雪音さんが特別推薦を獲得して、第18回ショパンコンクールに挑戦されました。
本番の演奏や結果から、この派遣コンクールは重要な位置にあるということがわかります。
3次審査の課題曲
3次審査の課題曲はソナタ全楽章とマズルカ1作品全曲です。
これは2025年のショパンコンクールの本大会3次予選の課題曲と同じです。
ソナタは「第2番 変ロ短調 Op.35」と「第3番 ロ短調 Op.58」のうちの1曲を選択します。
3次審査の19名のうち、第2番が7名、第3番が12名です。
マズルカを見てみると、Op.24が4名、Op.33が7名、Op.50が2名、Op.56が1名、Op.59が5名です。
最終審査の課題曲
最終審査の課題曲は幻想ポロネーズとピアノコンチェルトです。
こちらも本大会のファイナルと同じですね。
ピアノコンチェルトは「ホ短調 Op.11」か「へ短調 Op.33」のどちらかを選択します。
3次審査の19名のうち、Op.11を選ばれている方が16名、Op.33は3名です。
オーケストラではなく弦楽四重奏との協演ということで、音量バランスにも配慮が必要ですね。
最終審査で選ばれる来年のショパンコンクールへの特別推薦者は上位3位までの方々です。
ただし、その対象者がすでに他のコンクールでショパンコンクールに関する権利を得ている場合は、次点の方が繰り上がります。
3次審査、最終審査はともに昭和音楽大学のユリホールにおいて、公開でおこなわれます。
まとめ
来年1月に最終審査をむかえるショパン国際ピアノコンクール in ASIAについて解説しました。
今年度は「派遣コンクール」がおこなわれ、来年10月にワルシャワで開催されるショパンコンクールへの前段階になりますので、非常に注目度が高いです。
3次審査および最終審査の鑑賞は当日券が1名あたり1,000円です。
お近くの方は、昭和音楽大学のユリホールに足を運ばれるのも良いですね。
公式サイトはこちら。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。