絶対音感とは?身につける方法やメリットを大公開!
音を聞いただけで階名がわかる絶対音感。
そんな特別な能力に憧れを抱く方は多いのではないでしょうか。
このページでは絶対音感を持つ筆者が、絶対音感のメリットやデメリット、習得方法などをご紹介します。
長年のピアノ経験に基づいて、みなさんの疑問を解決します。
お子様に絶対音感を習得してほしいという方や、今から音感トレーニングを始めたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
絶対音感とは
絶対音感とは、ある音を単独で聞いたときにその音の高さが分かるというもの。
英語ではperfect pitch(パーフェクト ピッチ)と言います。
音を比較して認識する相対音感とは違って、音そのものを直接的に認識できるのが特徴です。
具体的には、ピアノの音だけを聞いてドレミを当てられる能力といった方が分かりやすいでしょう。
中にはチャイムやサイレンなどの生活音から、風や水など自然界の音までありとあらゆる音が聴き取れるという人もいます。
また、たくさんの音が重なっていても全ての階名が分かる人もいます。
モーツァルトは9声(9つメロディーが重なっている曲)を2度聴いただけで再現したそうです。
絶対音感の中にも幅があり、楽器の音ならわかるがそうでない音はわからないという人が多いと思います。
幼い頃から音感トレーニングをしていると身に付きやすいと言われています。
絶対音感のメリット
絶対音感はなくても困りませんが、あると非常に役に立つ能力です。
筆者が長年の経験に基づいて絶対音感のメリットを4つご紹介します。
曲を再現できる
多くの人はメロディーだけなら再現できますが、高いレベルの音感があれば伴奏まで正確に再現できるので、楽譜を読まなくても自由に演奏を楽しむことができるのです。
クラシック音楽の道に進むなら楽譜を読めることは必須ですが、楽譜は読めないけれど耳で覚えて演奏できてしまう人もいます。
即興でセッションできる
例えば、ジャズのセッションを想像してみてください。
楽譜が配られるわけでもなく、その場の雰囲気で音楽を演奏するのです。
それぞれのパートがどの音を鳴らしており、自分はどの音を重ねていけばいいのか、瞬時に判断する能力が求められます。
絶対音感があることが大前提で、さらにメロディーの構成や和音、形式など音楽の基礎的な知識も必要になるので、セッションができればかなりの上級者です。
即興で歌の伴奏ができる
メロディーだけでなく伴奏まで聞き取れるなら、歌の伴奏も簡単にできます。
譜読みの時間も必要ないので、歌を練習する場面や、弾き語りをする場面では活躍できるでしょう。
演奏能力が高くなる
耳でしっかり聞きながら演奏できるので、自分の間違えた音を瞬時に判断して修正することが可能です。
そのため、楽譜を見て初めて演奏する初見の曲に威力を発揮し、はじめて触れる楽器でも短期間で正確に演奏できるようになります。
絶対音感を手に入れる方法とは
小学校入学前から音楽教室に通ってきちんとした音感教育を受けることで、絶対音感が習得できるというのが一般的な見解です。
絶対音感が備わるのは耳の発達が著しい2~5歳が多いと言われていて、時期を逃すと残念ながら身に付けることはできません。
絶対音感の習得方法をご紹介します。
音感トレーニング
ソルフェージュという練習法が一般的で、分かりやすく表現すると「音楽の読み書きそろばん」です。
正しい音とリズムで歌う「視唱」、音を聞き取る「聴音」、初めて見る楽譜をすぐに演奏する「初見」などに分類されており、これらの能力をバランスよく身につけます。
絶対音感のトレーニングに限っては独学はおすすめできません。
音楽教室のグループレッスンであっても、個人のピアノ教室であっても、しっかりと基礎的なトレーニングをしてくれる先生に教えてもらいましょう。
適切な時期に良い指導者に付いてピアノを習い始め、真面目にしっかり音を聴きながら練習すれば、知らず知らずのうちに音感トレーニングをしていることになり、絶対音感が付くこともあります。
筆者はこのタイプでした。
しかし逆に言うと、この貴重な時期にいい加減な指導者に付き、ダラダラと不真面目な練習をしていても絶対音感は付きません。
ときどき小学校の入学と同時期にお子さんに楽器を習わせる親御さんがいらっしゃいますが、絶対音感を身に付けることを考えるとタイミングが遅く、もう少し早く来て頂いたらと思うことがあります。
絶対音感が身に付いても、継続的に楽器の練習を続けるなど音感トレーニングをしないと、能力は衰えていくので注意しましょう。
絶対音感のデメリット
絶対音感がある人はカッコいい、なんて認識をされがちですが、絶対音感にもデメリットはあります。
絶対音感を持っている人が感じているデメリットを3つ挙げます。
音楽を聴くと集中できない
音楽を聴きながら勉強や作業をする人は多いでしょう。
しかし絶対音感を持っている場合、耳に入ってきたメロディーが階名に変換され、他の作業に集中できなくなってしまうのです。
この変換は無意識のうちに行われるので、勉強や作業に集中したいときは無音で励むという人も多いですね。
現に私もこの記事を書いているときには無音です。
歌詞が頭に入ってきにくい
音が全て階名に変換されてしまうため、歌詞に注意がいかなくなります。
私の場合は「歌詞を聴く」モードに頭を切り替えています。
生活音の不快感
例えば、電子レンジと炊飯器の音が同時に鳴ったとします。
それらの音は不協和音となり、黒板を爪でひっかいたような不快感があるのです。
このように、生活音は階名に当てはまることや綺麗な和音になることが滅多にないため、絶対音感を持っている人は苦労しています。
しかし、上記のデメリットは絶対音感を持つ全ての人に当てはまるわけではありません。
高度な絶対音感を持っていても、デメリットを感じないように生活をしている方もいらっしゃいます。
簡単にできる絶対音感チェック
最後に、絶対音感があるかどうかのチェックをしてみましょう。
本サイト上で絶対音感があるかどうかをチェックする簡易なテストを作っています。
ぜひお試しください。
まとめ
絶対音感のメリットやデメリット、習得方法についてご紹介しました。
絶対音感を身につけるためには、幼少期から音感トレーニングをしておくことをおすすめします。
お子様にピアノの音を聞き分けさせたい、好きな曲を耳で覚えて演奏してほしい、という方は今回ご紹介した方法を是非試してみてくださいね。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。