エトピリカ~葉加瀬太郎
初中級~中級★★★
※この曲は、このレベルの中ではテクニック・表現ともに難しいです。
「情熱大陸」(MBS/TBS系)エンディングテーマです。
本来はヴァイオリンで演奏されますが、ピアノソロバージョンも有名です。
ところどころ弾きやすいように変えています。解説内でご確認いただき参考にしてください。
葉加瀬太郎作曲の発表会おすすめ曲では、作曲家の曲の一覧とあわせて、人物像を簡単に解説しています。興味のある方は一度ご覧ください♪
下記構成で解説を進めます。動画内の時間とあわせてご確認ください。
0秒~35秒(序奏)
35秒~55秒(A)
55秒~1分19秒(B)
1分19秒~1分39秒(C)
1分39秒~1分59秒(D)
1分59秒~2分19秒(E)
2分19秒~2分40秒(後奏)
エトピリカの0秒~35秒(序奏)の演奏解説
楽譜の左上にある速度記号はAndanteなので、ゆっくりと歩くぐらいの速さで弾きましょう。
始めはパッヘルベル作曲の「カノン」から入ります。
左手がほぼ同じ動きをする4小節が3回あります。
左手は3音ずつスラーがかかっているので、最初の音を少しマークして、2音目3音目に行くにつれて力を抜くように弾きます。
始めの4小節(0秒~11秒)は一番シンプルな形でp(ピアノ・弱く)で演奏します。
この曲の中で最も簡単なフレーズなので、ここを速く弾きすぎると後で大変なことになります。
con Ped.はペダルを使ってという意味です。基本的にコードネームが変わるところで踏みかえると良いでしょう。ペダルの踏み方
右手はアルペジオですが、一番上の音が繋がって聞こえるように弾きます。
次の4小節(11秒~21秒)は少し発展してエトピリカの断片が聞こえてきます。
mp(メゾピアノ・やや弱く)になり、一歩前に出てくる感じです。
更に次の4小節(21秒~31秒)では右手が華やかに動き出します。
しかしここではまだ静かめに弾いておく方が良いと思います。
この辺りまでヘ長調ですが、最後の方(31秒~35秒)から移行して「A」のニ長調に繋ぎます。
転調はさらっと弾くように指示がありますが、この部分は少し盛り上がっても良いと思います。
35秒~55秒(A)
1番カッコは飛ばしています。 カッコ付リピートの弾き方
エトピリカの主題になりました。
mf(メゾフォルテ・やや強く)でのびのびと弾きます。
左の音型は序奏の雰囲気を残しつつ少し発展しています。
右手のメロディで注意するのは、付点8分音符のリズム(36秒付近他)です。崩れないように正確にリズムを取りましょう。
メロディと共に右手の親指が2分音符で「ラ」の音をずっと弾いているのですが、これも序奏の名残です。右手の一番上のパートが主旋律なので大事に出しましょう。
55秒~1分19秒(B)
右手音型を一部変えています。
この部分は難所です。ここが弾ける速さから逆算して、序奏の速さを決めると良いでしょう。原曲はヴァイオリンなのでピアノでは弾きにくいです。
楽譜には指使いが載っていないので、時間をかけてじっくり考えなくてはいけません。基本は一番高い音を5の指になるようにします。
私は1分2秒付近の「ド#」を少し丁寧に弾いています。一番上の音を、あえて抜くように弾くと心が込められます。
1分9秒付近の「ミ」の音は出だしを強調しています。即興的な要素もあるところなので、もっと自由に歌っても良いでしょう。
ロ短調になったので少し弱めに弾くようにします。
「C」に続くところ(1分17秒付近)はだんだん弱く、少しゆっくりしています。
1分19秒~1分39秒(C)
1番カッコを飛ばしています。
ここは一度気持ちを抑える場面です。まだロ短調は続いていて更に弱い音で弾きます。
最初の2小節(1分19秒~1分24秒)と次の2小節(1分24秒~1分29秒)は、前半が同じですが、後半のパッセージが違います。最初は下行系、次は上行系になっています。
普通、上行系は緊張、下行系は緩和を表します。上行系は自然にだんだん大きな音になります。ここでも少し高揚して次のフレーズに進みます。
次の2つの2小節(1分29秒~1分34秒と1分34秒~1分39秒)も前半が同じです。
1分32秒付近の右手は、アクセントをずらした場所に付ける事によって面白いリズムになっています。「B」でもその要素がありました。(1分9秒付近)
最後の小節(1分37秒付近)でいきなり長調になります。
1分39秒~1分59秒(D)
楽譜通りに弾いています。
重荷を解き放って伸びやかに明るく弾きましょう。左手はまたカノンの音型になっていますが、「A」とは少し違った、攻めた弾き方をしました。
全体的に高めの音になっていて、特に1分44秒~1分49秒はキラキラ感があります。ここでcresc.(だんだん強く)をかけて行きます。
1分49秒からはカノンのメロディを力強く主張しています。
1分59秒~2分19秒(E)
楽譜通りに弾いています。
いよいよクライマックスです。ff(フォルテッシモ・非常に強く)で演奏します。
「E」に入るとまたニ長調に戻りますが、そのことを伝えるために、「E」部分の最初の和音を少しためて出しています。
全体的に「A」と同じですが、単音を重音にすることによって厚みが出ています。
2分9秒付近は一瞬短調になります。そのフレーズを弱く弾くのも一つのアイデアですが、クライマックスを感じるために強い音のままで弾きました。
「A」の同じところ(45秒付近)で弱めに弾いてみるのも良いと思います。
2分19秒~2分40秒(後奏)
前半4小節をカットしています。
演奏時間の関係で後半しか弾いていませんが、もちろん全部弾いても素敵です。その時にはもうワンクッションあるので、強弱のかけ方に注意して下さい。
序奏と同じくヘ長調に戻っていて、曲調もカノンの雰囲気です。呼吸を整えるように穏やかに弾きましょう。
最後はrit.(リタルダンド・だんだんゆっくり)の指示があるので、落ち着いて終わります。
最後の和音はニ長調になっています。その前の音から1音上がることによって、魂が救われたような印象があります。
フェルマータが付いているので、しっかり伸ばしましょう。長さは自分の感性で決めて下さい。それぞれの音が空中で溶け合って一つになるまで聴いて下さい。
音を切る時は鍵盤から徐々に指を剥がしていく感じにすると、音がプツンと切れずに綺麗に聞こえます。
動画のピアノ演奏は参考なので作曲者の指示した速さで弾いています。もう少しゆっくりでも大丈夫です。
発表会前に演奏を誰かに聴いてもらいたい…
あがり症を克服したい…
ピアノを習っているけど、他の先生の指導も受けてみたい…
独学でピアノを学んでいて、演奏に自信が持てない…
PianeysのピアノLINEレッスンなら
LINEで動画を送るだけ!
あなたの演奏を徹底分析してお悩みを解決します♪
人気ランキング
発表会で聴き映えのするおすすめ曲を人気順にランキング形式で掲載しています。曲は難易度ごとにレベル分けしているので、あなたにぴったりな1曲が見つけやすくなっています。 ランキングを見る
人気急上昇ランキング
発表会で聴き映えのするおすすめ曲で人気が急上昇しているものをランキング形式で掲載しています。曲は難易度ごとにレベル分けしています。最近話題になっている曲やPianeysが新しく追加した曲がランクインしやすい特徴があります。 ランキングを見る
ピアノソロのおすすめ曲
発表会におすすめのソロ曲をレベル別に紹介しています。作曲家別に曲を選ぶこともできます。演奏動画と楽譜情報も掲載しています。
- ピアノ初心者の方
- ピアノを習い始めて間もない方のピアノ発表会おすすめ曲です。音符の事をあまり知らなくても指の動きで弾ける曲など、少ない音や簡単なリズムでも音楽性の豊かな曲を集めました。おすすめ曲リストへ進む
- ピアノ初級の方
- 楽譜も読めるようになり、ピアノが少し弾けるようになってきた方のピアノ発表会おすすめ曲です。タッチの強さやリズム感など個人差もあるので、タイプに合った曲を選びましょう。楽譜は簡単でも丁寧に表現すると素晴らしい曲を集めました。おすすめ曲リストへ進む
- ピアノ初級~初中級の方
- ブルグミュラー前半レベルの方のピアノ発表会おすすめ曲です。エキゾチックな曲、軽快な曲、美しく流れるような曲など得意なテクニックや表現力などが活かされる様々な曲をご紹介しています。おすすめ曲リストへ進む
- ピアノ初中級の方
- ブルグミュラー後半レベルの方のピアノ発表会おすすめ曲です。音楽性も高く印象に残る曲を集めました。オクターブが届かない方でも大丈夫な曲がほとんどです。発表会定番曲から隠れた名曲まで続々発掘中です。おすすめ曲リストへ進む
- ピアノ初中級〜中級の方
- ソナチネアルバムレベルの方のピアノ発表会おすすめ曲です。曲の完成度が高く、弾きがいもあり聴き映えのする名曲を集めました。スケールも大きく華やかな曲が多いです。おすすめ曲リストへ進む
- 作曲家別に選びたい方
- ピアノ発表会おすすめ曲を作曲家別にまとめています。作曲家の出身・時代・曲の傾向や特徴など、簡単な説明を添えています。作曲家別に選ぶ
- カテゴリー別に選びたい方
- ピアノ発表会おすすめ曲をカテゴリー別にまとめています。発表会で演奏する曲を、曲の特徴や作曲家の時代などからカテゴリー別に選びたい方は参考にしてみてください。カテゴリー別に選ぶ
自分のピアノのレベルの判断に迷う方は【初級?中級?上級?】ピアノのレベルの判断基準は”ピアノIQ”を参考にご覧ください。
ピアノ連弾のおすすめ曲
ピアノ発表会におすすめの連弾曲を紹介しています。幅広い難易度でおすすめの曲を一覧にしています。演奏動画と楽譜情報も掲載しています。ピアノの連弾についておすすめ曲リストへ進む
ピアノ発表会におすすめの楽譜
ピアノ発表会おすすめ曲が掲載されている楽譜を一覧で紹介します。発表会だけではなく、普段のレッスンでも利用できる内容の濃いものばかりです。おすすめ楽譜リストへ進む
演奏を成功に導く暗譜と緊張対策
発表会での演奏は暗譜でノーミスが目標です。また、人前での演奏は緊張しますが、自信を持って十分に表現しないといけません。丁寧な暗譜と適切な緊張対策は、発表会を成功に導く鍵です。暗譜を極めるための18の方法と発表会での緊張を抑える18の準備を、発表会で演奏する予定のある方はぜひ参考にしてみてください。
発表会・コンサートのマナー
たとえあなたが演奏者としてピアノの発表会に参加していたとしても、自分の演奏の前後は他の演奏者の聞き手です。発表会を目一杯楽しむために、写真撮影や拍手のタイミングなど、聞き手としてのマナーを知っておきましょう。知っていると安心!発表会・コンサートのマナーで紹介しています。