【日本人ピアニストの状況は?】ショパンコンクール2025で予備審査・予選予選が免除される条件(2024年11月末時点)
2025年に開催されるショパン国際ピアノコンクール。
その壮絶な戦いは、実は2021年からはじまっていることをご存知でしたか?
全世界で行われるピアノコンクールのうち、ポーランド国立フレデリック・ショパン研究所に選抜されたコンクールで優秀な成績を修めたピアニストは
予備審査と予備予選の両方が免除
もしくは
予備審査のみが免除
されます。
「予備審査や予備予選の免除の条件」と「日本人ピアニストの状況」をくわしく見ていきます。
予備審査・予備予選免除の条件
次の図の9つのピアノコンクールで第1位または第2位に入賞したピアニストは、予備審査・予備予選が免除され、2025年10月からの本大会に直接参加することができます。
先日おこなわれた2024年の浜松国際ピアノコンクールでは鈴木愛美(すずきまなみ)さんが見事優勝されましたので、鈴木さんはショパンコンクールの本大会に直接参加できる切符を手に入れました!
浜松国際ピアノコンクール優勝!鈴木愛美さん
鈴木さんは日本人として浜松国際ピアノコンクール初優勝です!
また、その快挙を達成しただけではなく、聴衆賞と室内楽賞も受賞されました。
鈴木さんは2002年生まれの22歳。
鈴木さんが次のショパンコンクールに挑戦されるかどうかは今のところ発表されておりませんが、ぜひ全世界の方々に演奏を聴いていただきたいですね。
浜松国際ピアノコンクールでは、鈴木さんのショパンはエチュード『黒鍵』のみでしたが、息をするように響く音色は自由自在で、8小節を聴いただけで尋常ではない才能を感じました。
2024年末時点で、ショパンコンクール本大会に直接参加できることが確定している日本人ピアニストは、鈴木さん、ただ一人です。
コンクール上位入賞の日本人ピアニスト
予備審査、予備予選の免除対象となっているコンクールで、ショパンコンクール本大会への切符は手にされていないものの、鈴木さん以外の日本人ピアニストも素晴らしい演奏を披露され、様々な賞を受賞されています。
ショパンコンクールへの参加があり得るのかどうかも気になります。
2021年のエリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)では、務川慧悟(むかわけいご)さんが第3位入賞、阪田知樹(さかたともき)さんが第4位入賞されています。
ただ、お二人とも残念ながらショパンコンクールの年齢制限のため、2025年の大会には挑戦できません。
2023年のルービンシュタイン国際ピアノコンクールでは、黒木雪音(くろきゆきね)さんが第3位に入賞されています。
ダブリン国際ピアノコンクールとリスト・ユトレヒトの優勝に続いての快挙です。
乗りに乗っている注目のピアニストで、多彩な音には定評があります。
そして、黒木さんは1998年生まれの25歳。
年齢的にも次のショパンコンクールに参加可能です。
ルービンシュタイン国際ピアノコンクールでは、黒木さんはショパンの作品は演奏されませんでしたが、ぜひ聴いてみたいです。
2023年のブゾーニ国際ピアノコンクールでは、山﨑亮汰(やまざきりょうた)さんが第3位に入賞されています。
山﨑さんも黒木さんと同じく1998年生まれなので、次のショパンコンクールに挑戦できます。
ブゾーニ国際ピアノコンクールでは、ショパンの「エチュード 作品25」の全12曲をプログラムに入れておられたので、ショパンに対する思いの深さを感じました。
挑戦される可能性は非常に高いのではないでしょうか!
2024年の浜松国際ピアノコンクールでは、小林海都(こばやしかいと)さんが第3位に入賞されています。
小林さんは1995年生まれの29歳で、ショパンコンクールの年齢制限ではギリギリセーフ!
なお、2021年のリーズ国際ピアノコンクールでは、見事第2位を受賞されています。
これは内田光子さんと並ぶ日本人の最高位です。
2024年のリーズでの成績であれば、予備審査・予備予選ともに免除でした。
若き巨匠という異名(いみょう)を持つほどの演奏を、ショパンコンクールでもぜひ披露してほしいです。
その他にも、奥井紫麻(おくいしお)さんが2022年 パデレフスキ国際ピアノコンクールにて名誉賞を、マルセル田所(たどころ)さんが2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて審査員長特別賞を、牛田智大(うしだともはる)さんが2024年のリーズ国際ピアノコンクールにて聴衆賞を受賞されています。
奥井さんは2004年生まれの20歳。
幼少期からロシアに留学されていて、海外での評判が高い方です。
豊かな感性のショパンをぜひ聴かせていただきたいです。
マルセル田所さんは年齢制限のため、残念ながら次のショパンコンクールには挑戦できません。
そして実力、人気共に高い牛田さんは、1999年生まれ。
ぜひとも挑戦しリベンジをしていただきたいと強く願っています。
予備審査免除の条件
続いて、予備審査が免除される条件を確認します。
次の図の7つのピアノコンクールにおいて決められた順位に入賞したピアニストは、予備審査に参加することなく、直接2025年4月からの予備予選に参加することができます。
日本人ピアニストとしては、2024年日本ショパンピアノコンクールで1位の稲積陽菜(いなずみひな)さんと、2位の今井理子(いまいりこ)さんは予備審査免除で、予備予選への切符を手にしています。
まとめ
2025年のショパン国際ピアノコンクールの予備審査や予備予選の免除の条件と日本人ピアニストの現在の状況を確認しました。
免除対象になるコンクールはまだ実施されていないものも含まれています。
・ショパンピアノコンクール in アジア
・カナダ ショパンピアノコンクール in トロント
・アメリカ ショパンピアノコンクール in マイアミ
・ポーランド国立ショパンピアノコンクール in ワルシャワ
これらのコンクールは、これからおこなわれますので、その結果も気になりますね。
今回、日本人ピアニストを複数ご紹介しましたが、その他にも藤田真央(ふじたまお)さん、進藤美優(しんどうみゆ)さん、古海行子(ふるみやすこ)さん、亀井聖矢(かめいまさや)さんなど、綺羅星のごとく才能あふれるピアニストが控えています。
続報もお楽しみに!
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。