【反田恭平さんの大活躍を振り返り】第18回ショパンコンクール2位入賞への軌跡
2021年10月、ポーランドのワルシャワで開催された第18回ショパン国際ピアノコンクールで、日本人ピアニスト反田恭平さんが見事第2位に輝きました。
この快挙は、日本のクラシック音楽界に大きな希望と喜びをもたらしました。
今回は、反田さんのコンクール期間中からコンクール後のインタビューを通じて、その軌跡を詳しく振り返ってみます。
反田さんのインタビューでの発言ではできる限りそのまま文字に起こしていますが、動画をご覧いただくと、より細かなニュアンスを感じ取っていただけると思います。
関連するYouTube動画も多く紹介しますので、ぜひお楽しみください♪
コンクールに向けた6年間の緻密な準備
反田さんは、ショパンコンクールに向けて「6年」という長い時間をかけて準備を重ねてきました。
第2位入賞後には、次のように語っておられます。
「何よりも、本当に6年間緻密に計画してきて、選ぶ曲たちも2017年からコンサートで弾きはじめて、少しずつ吟味していって、6年かけて選んだ曲たち17曲を、最後に弾き切れるっていう喜びのほうが大きかった」
ピアノコンクールへの準備としてプログラムを吟味することは想像に難しくありませんが、それでも6年という時間のかけ方、その徹底ぶりはさすがです。
別のインタビューでは、長時間の演奏に耐えうる体力づくりも計画的におこなっておられたことを語っておられました。
さらに、自分自身のイメージ戦略については、
「名前はいいんですよ。名前は後で覚えてくれれば。ただ髪型とかサムライって、覚えてもらえれば良い」
と語っておられ、多くの参加者の中で印象に残るために髪型まで工夫していたことがわかります。
コンクール期間中の心境
反田さんは、コンクール期間中、さまざまな感情の起伏を経験されました。
インタビューからは、プレッシャーと闘いながらも自分自身の音楽と向き合う姿が浮かび上がってきます。
極度の緊張との闘い
反田さんは、コンクール期間中の緊張について、次のように語っておられます。
「思った以上に、このコンクールっていうのは自分へのストレスやプレッシャーだったり、本当にもう今まで経験したことがないくらい」
「人生で一番緊張しました」
相当な場数を踏んでおられる反田さんでも、やはりショパンコンクールという大舞台で、これまでに経験したことのないレベルの緊張と向き合っておられたことがわかります。
自身の音楽との向き合い方
しかし、反田さんは単に緊張に押しつぶされるのではなく、自分自身の音楽と真摯に向き合っておられました。
ファイナルステージについて、次のように語っておられます。
「あのコンチェルトが世界で一番大好きな作品なので、自分がどれだけ愛しているのかっていうのを伝えなければ勝てないなっていうのがわかっていたので、純粋に音楽に没頭しよう、無駄なことはもう考えなくていいかな、っていう感じでした」
憧れの舞台への想い
反田さんにとって、ショパンコンクールのファイナルステージは長年の夢でした。
夢の舞台に立てた喜びと充実感を語っておられます。
「何よりも人の夢が叶う瞬間っていうのは人それぞれだと思うんです。一瞬かもしれないし、5秒かもしれない。僕の場合は12歳から憧れてきたこのファイナルのステージ、コンサートではなくてコンクールでオーケストラと一緒に弾きたいっていう思いが強くて、僕の場合は40分間、夢が叶い続けた。最高の瞬間だったなというのを本選を終えて思いました」
反田さんのインタビューの中で、特に私が好きな言葉です。
素敵ですね。
ぜひ動画で生の声をお聞きください!
コンクール後の変化と今後の展望
第2位入賞を果たした反田さんは、コンクール後に、それまでとの大きな変化を感じられたそうです。
そして、これからの音楽活動に対する熱い思いも語っておられます。
自信の獲得と人間的成長
反田さんは、コンクール後の心境を次のように語っています。
「一気に世界が変わってしまったので、今正直全然寝れてないし、お風呂も入る時間もなくなっちゃった」
「受賞後の1ヶ月というのは結構幸せに満ちた1ヶ月でして、きらびやかな華やかな1ヶ月でしたね。2ヶ月前では想像ができないほど色々な景色が変わりましたし、何よりも、自信がついたといいますか、それはアーティストとして演奏家として、とてもいいことかなと思います」
コンクールでの第2位入賞が彼に大きな自信をもたらし、アーティスト/演奏家としての成長を実感していることがうかがえます。
今後の活動への意欲
コンクール後、反田さんは世界中からオファーを受けているそうです。
「やっぱり日本で生まれたので、定期的に日本に帰ってコンサート活動をしたいと思います」
この言葉からは、国際的な活動と同時に、日本での活動も大切にしたいという思いが感じられますね。
クラシックの普及と教育への思い
クラシック音楽の普及と教育に対しては課題感をお持ちのようです。
「国民の10人に1人がクラシックコンサートに行ったことがある、今年行きましたっていうアンケートになれるような世界をはまずは作っていけたらいいよなぁって思います」
「教育に関しては、よりフォーカスしなければいけないんだなと思いました」
まとめ
第18回ショパンコンクール第2位入賞を果たした反田恭平さん。
6年間にわたる緻密な準備と、コンクール期間中の真摯な音楽への向き合い方を紹介しました。
彼の言葉からは、技術的な準備だけでなく、精神面での成長、そして音楽への深い愛情が感じられます。
この経験を通じて得た自信と成長は、彼の今後の音楽活動をさらに飛躍させることでしょう。
日本のクラシック音楽界への貢献も楽しみです。
反田さんのこれからの活躍に、ますます注目が集まりそうです。
2025年の第19回大会では、反田さんの活躍に影響を受けた新たな才能が登場するかもしれません。
次はどんなピアニストが世界の舞台で羽ばたいていくのか、今からとても楽しみです。
クラシック音楽ファンの皆さん、一緒に次の大会を心待ちにしましょう。
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また、上で紹介した以外のインタビューも多数YouTubeで公開されています。
ぜひお楽しみください。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。