大人の生徒さん達とのランチ&ピアノ弾き合い会~プログラムと解説・後編
先日行ったバロック曲限定のピアノ弾き合い会のプログラムと解説です。
前編ではJ.S.バッハ作曲の作品の解説をまとめました。
後編ではそれ以外のバロック曲をご紹介させていただきます。
ペツォールト(1677-1733)
ドイツの作曲家、オルガニストです。
バッハが息子たちの教育のために編集した『アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳』の中にペツォールトの作品がありましたが、作曲者を明記していなかったために、長年バッハの作品と思われていました。
メヌエット ト長調&ト短調
フランス発祥の小さなステップの舞曲ですが、ルイ14世が宮廷のダンスとして取り入れたことにより、大きく発展しました。
ぺツォールトはルイ14世とほぼ同時期に活躍しました。
今回演奏される2曲のト調のメヌエットは、正式にはト長調-ト短調-ト長調と続けて演奏されますが、現在は単独で演奏されることが一般的になりました。
参考演奏
ペツォールト作曲 メヌエット ト長調
ペツォールト作曲 メヌエット ト短調
ラモー(1683-1764)
フランスの作曲家、音楽理論家です。
近代和声理論の基礎を確立し、協和音、不協和音を数学的に定義づけるなど、音楽書を作ったことで大きな功績を残しました。
ドビュッシーは敬意を表して『ラモー礼讃』という曲を作曲しています。
メヌエット
この曲は優雅で親しみやすい舞曲です。
ラモーもルイ14世とほぼ同時期に活躍しました。
エジプトの女
ラモーはフランス・オペラを多く作曲しましたが、鍵盤楽器では『めんどり』や『タンブラン』など標題の付いた作品が今も人気です。
この曲は華麗な装飾音と少しもの哀しい流麗な旋律が特徴です。
D.(ドメニコ)スカルラッティ(1685-1757)
イタリア出身の作曲家、オルガニストで、オペラで功績を残したA.(アレッサンドロ)スカルラッティの息子です。
「近代的鍵盤楽器奏法の父」と呼ばれるように、チェンバロからフォルテピアノへと鍵盤楽器が進化していくのに対応して、奏法を画期的に変えて今のピアノ奏法に導きました。
ソナタ パストラル L.413 K.9
D.スカルラッティは555曲ものソナタ(主にチェンバロ演奏)を作曲しました。
古典派のソナタとは形式が異なっていますが、色々なモチーフが組み合わさった独特の面白さがあります。
パストラルは田園や羊飼いの理想化された生活という意味で、当時の音楽では人気のジャンルでした。
参考演奏
D.スカルラッティ作曲 ソナタ パストラル L.413 K.9
W.F.(ヴィルヘルム・フリーデマン)バッハ(1710-1784)
J.S.バッハ(ヨハン・セバスティアン・バッハ)の長男で、ドイツの作曲家、オルガン奏者です。
J.S.バッハの息子達は音楽の才能に恵まれていましたが、W.F.バッハはその中でも際立っていました。
しかし、甘やかされて育ったために根気も人望もなく、膨大な作品を書いたにもかかわらず、ほとんど出版されることはありませんでした。
出版に至った作品は、時代を先取りしていたかのような自由な表現や大胆な構成が特徴的で、近年評価が高まっています。
春
さわやかな風が気持ち良い「春」と、一転して嵐のように吹き荒れる「春」の対比が面白い曲です。
基本的に2声ですが、メロディーが和音になっているところもあります。
参考演奏
W.F.バッハ作曲 春
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。