ピアノ発表会の裏側・ピアノ発表会を時短で行う利点と工夫(Part 2)
前回に引きつづきピアノ発表会を時短で行う工夫を解説していきます。
一応おさらいしておくと……
①選曲
②曲の時間を計ることを練習に取り入れる
③弾く以外のシミュレーション
④舞台リハーサル
⑤本番の休憩時間
⑥出演者・保護者のご協力
前回は①でした。
今回は②③の解説です。
曲の時間を計ることを練習に取り入れる
これは一番重要と言っても過言ではありません。
というのは、ピアノ発表会の打ち合わせ時に以下のような時間割が必要だからです。
発表会の開場時刻(外部の方が会場に入る時刻)
第1部の開演時刻
第2部の開演時刻
・・・
発表会の終了時刻
生徒さんの曲が決まったら、一番きれいに弾ける最高の速さを予想しておきます。
中にはどんどん本番が迫ってきているのに、ゆっくりしか弾けなかったり何回も弾き直したりする生徒さんもいらっしゃいます。
そのときは、「次のレッスンまでに〇分〇秒で弾けるようにしてくるように」という宿題を出します。
結構これは効き目があり、子供の生徒さんはゲーム感覚でこなします。
もちろん普段のレッスンでもストップウォッチで計ったり、録音したりしています。
楽譜に日付と時間を書いておくと、自分の進歩が目に見えるのでうれしいみたいです。
弾く以外のシミュレーション
本番では、曲を弾くまでと弾いた後も時短できることがたくさんあります。
【出番待ち】
自分の出番の〇人前に必ず舞台裏で待機してもらいます。
これは当然のことと思いきや、結構ギリギリで飛び込んでくる場合もあるのでヒヤヒヤしました。
先日お手伝いに行った発表会では、自分のアナウンスが始まっている最中に走って飛び込んできた生徒さんもいました。
各自のプログラムに〇をつけて、この演奏が終わったら舞台裏に来るように、とお伝えしておくと安心ですね。
【舞台へ歩きだすタイミング】
うちの教室発表会では、基本的には前の人の拍手が終わるか終わらないうちに、次の方のアナウンスをはじめていただきます。
補助ペダルのセッティングや、椅子の上げ下げ、譜面台の出し入れなどある場合は、あらかじめ司会者に伝えておきます。
自分の曲のアナウンスが始まったらポンと背中を押して演奏者を送り出します。
つまり、自分のアナウンスを聞きながら歩いていくということです。
時短のためもありますが、シーンと静まった中を歩く緊張感よりも幾分マシという利点もあります。
アナウンスが終わったら指定の場所でお辞儀をしますが、ちょうど良いタイミングになります。
【お辞儀をする練習】
お辞儀をみんなの前で一人でするということは、とても勇気がいることだと思います。
モジモジしないように、初めての出演者はもちろん、子供の生徒さんは普段のレッスンから演奏とセットで行うようにしましょう。
お辞儀の場所がわからずとまどうことがないように、舞台上にマークをつけるのもお忘れなく。
【椅子に座る練習】
お辞儀の後には椅子に座るという行為もあります。
うちの発表会では、幼児でもなるべく一人で座れるように普段から練習しています。
補助ペダルを足台にして鍵盤の底を持つようにすると、年少さんでもスマートに上手に座ります。
補助ペダルをセッティングするのはピアノ教師の大切な役目ですが、小学生高学年くらいになると椅子の高さ調節は自分でしてもらいます。
そのときに客席にお尻を向けないということも教えます。
これもぶっつけ本番ではプレッシャーが大きいので、普段のレッスンから慣れてもらっています。
ピアノ発表会でできる時短の工夫として、
②曲の時間を計ることを練習に取り入れる
③弾く以外のシミュレーション
について解説しました。
次回は④舞台リハーサルについてお話させていただきます。

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。