コンクールに向けてのレッスン 7回目から11回目まで~バッハ・インヴェンション
はじめてのバッハ・インヴェンションでバッハが大好きになり、コンクール挑戦も決意したAちゃん。
コンクールを受けることで、より深く曲に向き合うことになりました。
テーマの弾き方やフレーズ感はよくなりましたが、指の形や弾き方に癖があるので、LINEレッスンで1音ずつ細かくチェックしています。
LINEレッスン7回目(2022/10月上旬)
曲のモチーフもわかりやすく、安定してきました。
ただ、右手に比べると、左手の指の立て方が安定していないので、左手の演奏がスムーズでないときがあります。
今回の動画は上からの映像だったので、左手の第一関節(指の先に近い関節)がグラグラしているのがわかりました。
左手を重点的にチェックして、その直し方をお伝えしました。
指の矯正は時間がかかりますが、コツをつかめば一生ものなのでがんばってほしいです。
LINEレッスン8回目(2022/10月中旬)
左手も整ってきて、とても聴き心地の良い演奏になってきました。
腕の揺れもあまり気にならず、バロックの弾き方になってきたと思います。
今回は気になった個所を徹底チェックさせていただきました。
例えば、「左手3小節目、4拍目ラを立てましょう。」や「右手3,4小節目、1の指を2の指が乗り越えるときに粒をそろえましょう。」など。
また4の指の第3関節(握りこぶしのところ)が動いていない時があるので、指導させていただきました。
これから古典派、ロマン派、近代曲などを弾くときに、指に負担がかからないようにするためにも、徐々に直していった方がよいと思います。
指の形が悪いと、その音だけ音色が沈むので要注意です。
LINEレッスン9回目(2022/10月下旬)
Aちゃんは「指!指!」と意識し、動画を撮って確認しておられたとのこと。
音楽の流れがとても良くなりました。
しかし、右手の4の指を弾くときに、まっすぐではなく、少し右にねじって倒れる癖もあるので音が不揃いになるときもあります。
温かみのあるまろやかな音になる様に、細かくチェックが続きます。
例えば、「3小節目 左手3拍目ミの切り方が短すぎる」などです。
また、J.S.バッハの他の作品も聴いてみることをご提案させていただきました。
Aちゃんへのおすすめは「イタリアン コンチェルト」と「パルティータ 第1番」です。
どちらも発表会で弾ける華やかな曲です。
LINEレッスン10回目(2022/10月下旬)
主旋律と複旋律のバランスについて指導させていただきました。
音色のチェック、指のチェックも引き続きおこなっていますが、努力の甲斐があって、気になる音の数はどんどん減ってきています。
今回は暗譜の練習方法も併せてお伝えしました。
LINEレッスン11回目(2022/11月上旬)
暗譜ができると楽譜から遠ざかってしまうので、音符や休符の長さが曖昧になっていることがあります。
細かいところですが、チェックさせていただきました。
装飾音の速さの統一や、タッチの浅い箇所も要確認です。
曲中に登場するいろいろな終止形についての弾き方も指導させていただきました。
11回レッスンを終えて
Aちゃんはこの後予選に臨まれました。
本番の動画を送っていただきましたが、バッハを理解して気持ちよく演奏されているのが伝わり感動しました。
よくぞここまで成長されたと思います!
Aちゃんはこれまで学んできた大事なポイントは次の点だと考えているそうです。
テーマはどこか?
粒をそろえて右と左が対話するように
音符や休符の長さを正確に
ゼクエンツや終止形を意識する
転調での場面の切替え
そして、バッハは、かっちり弾くだけだと思っていたけど、歌うことが大事!ということ。
短期間で、しかも1曲でこれだけのことを学ばれました。
次はいよいよ予選の結果発表です。
お楽しみに。
Aちゃんの今までのレッスンはこちらです。

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。