2次予選の採点表を考察しました!~第18回ショパン国際ピアノコンクール
待ちに待った第18回ショパン国際ピアノコンクールの採点表が開示されて、反田恭平さん、角野隼斗(かてぃん)さん、小林愛実さん、そして2次予選で姿を消してしまった牛田智大さんの採点にも大いに興味があります。
1次予選に続いて2次予選を見ていきましょう。
採点表
こちらからご覧ください。
scores for Stage II(2次予選採点表)
採点表の見方
今回、抽選で「M」の方から始まりました。
演奏順、性別、氏名、国籍が明記されています。
その横にずらっと各審査員の「YES」「NO」と採点(1点~25点)があります。
「Index Y」はYESの点数を、評価した審査員の数で割ったものです。
「Points average」は修正後の平均点です。
「s」は師弟関係により得点がなかったことを意味します。
審査員
Dmitri Alexeev(ドミトリー・アレクセーエフ)
Sa Chen( サー・チェン)
Thai Son Dang(ダン・タイソン)
Akiko Ebi(海老彰子さん)
Philippe Giusiano(フィリップ・ジュジアーノ )
Nelson Goerner(ネルソン・ゲルナー)
Adam Harasiewicz(アダム・ハラシェヴィチ)
Krzysztof Jabłoński(クシシュトフ・ヤブウォンスキ)
Kevin Kenner(ケヴィン・ケナー)
Arthur Moreira Lima(アルトゥール・モレイラ・リマ)
Janusz Olejniczak(ヤヌーシュ・オレイニチャク)
Piotr Paleczny(ピオトル・パレチニ)
Ewa Poblocka(エヴァ・ポブウォツカ)
Katarzyna Popowa-Zydron(エカティリーナ・ポポヴァ・ズィドロン)
John Rink(ジョン・リンク)
Wojciech Switala(ヴォイチェフ・シュヴィタワ)
Dina Yoffe(ディナ・ヨッフェ)
反田恭平さん2次予選の採点
反田恭平さんは12番です。
YESが12人、NOが2人(ネルソン・ゲルナー、エヴァ・ポブウォツカ)、師匠のパレチニ先生不参加でした。
NOのお2人は1次予選でもNOでしたね。
Index Yは14÷16=0.88
得点は上記の審査員の順に21 , 20 , 22 , 19 , 23 , 19 , 23 , 24 , 24 , 25 , 20 , s ,17 , 19 , 24 , 19 , 25 でした。
合計344点(1人不参加)で平均点は21.5点でした。
2次予選の修正点はプラスマイナス2点なので、反田さんの場合19.5点(21.5-2)~23.5点(21.5+2)以外は修正されます。
つまり、17点、19点は19.5点に、24点、25点は23.5点になり、もう一度平均点を出したのがPoints averageで21.5点になりました。
1次予選のPoints averageは20.40点だったので、演奏は調子がでてきたと言えるでしょう。
角野隼斗(かてぃん)さん2次予選の採点
角野隼斗(かてぃん)さんは14番です。
YESが10人、NOが7人( ダン・タイソン、海老彰子さん、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、ヤヌーシュ・オレイニチャク、ピオトル・パレチニ、エヴァ・ポブウォツカ、ヴォイチェフ・シュヴィタワ)でした。
1次予選でYESを付けていた先生がNOに、NOを付けていた先生がYESに転じていて興味深かったです。
Index Yは10÷17=0.59
得点は上記の審査員の順に19 , 22 , 18 , 17 , 22 , 22 , 23 , 19 , 22 , 21 , 17 , 19 , 16 , 24 , 21 , 19 , 22 でした。
合計343点で平均点は20.18点です。
2次予選の修正点はプラスマイナス2点なので、角野さんの場合18.18点(20.18-2)~22.18点(20.18+2)以外は修正されます。
つまり、16点、17点は18.18点に、23点、24点は22.18点になり、Points averageは20,30点になりました。
1次予選のPoints averageは19.75点だったので、非常に演奏は良かったと思います。
牛田智大さん2次予選の採点
牛田智大さんは16番です。
YESが6人(サー・チェン、ダン・タイソン、海老彰子さん、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、アルトゥール・モレイラ・リマ、ピオトル・パレチニ)、NOが11人でした。
ギリギリの審議かと思いましたが、とても厳しい判定です。
牛田さんは非常に悔しいと思いますが、とてもよい経験をさせていただいたとおっしゃっておられるので、ぜひ次回リベンジしてほしいと願っています。
Index Yは6÷17=0.35
得点は上記の審査員の順に19 , 20 , 19 , 19 , 14 , 15 , 18 , 19 , 19 , 19 , 19 , 21 , 17 , 17 , 19 , 17 , 18 でした。
合計309点で平均点は18.18点です。
2次予選の修正点はプラスマイナス2点なので、牛田さんの場合16.18点(18.18-2)~20.18点(18.18+2)以外は修正されます。
つまり、14点、15点は16.18点に、21点は20.18点になり、Points averageは18,33点になりました。
小林愛実さん2次予選の採点
小林愛実さんは39番です。
YESが15人、NOが2人(サー・チェン、アダム・ハラシェヴィチ)でした。
アダム・ハラシェヴィチは相変わらずNOです。
Index Yは15÷17=0.88
得点は上記の審査員の順に21 , 19 , 21 , 19 , 22 , 21 , 18 , 19 , 19 , 19 , 22 , 21 , 19 , 20 , 24 , 22 , 25でした。
1次予選よりは伸びませんでしたが、YESが15人というのが大きいです。
合計351点で平均点は20.65点です。
2次予選の修正点はプラスマイナス2点なので、小林さんの場合18.65点(20.65-2)~22.65点(20.65+2)以外は修正されます。
つまり、18点は18.65点に、24点、25点は22.65点になり、Points averageは20,47点になりました。
全員YESをもらったコンテスタント
23番 J J Jun Li Bui 22,91(ファイナリスト)
44番 Bruce (Xiaoyu) Liu 23,03(ファイナリスト)
優勝したブルース・シャオユー・リウがやはり断トツの得点です!
しかもお二人ともカナダで、ダン・タイソンの生徒です。
ダン・タイソンの生徒は、前回の第17回大会でもファイナリストに3人残りました。
ショパンコンクールで求められるショパンの演奏を熟知されている、と言っても過言ではありません。
また、ダン・タイソンは生徒の個性を生かす演奏を導き出してくれるので、とても楽しいとブルース・シャオユー・リウはインタビューでコメントしています。
1次予選の採点表を考察しました!~第18回ショパン国際ピアノコンクール
3次予選の採点表を考察しました!~第18回ショパン国際ピアノコンクール
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。