ピアノの進度を速めるには?
同じ時期にピアノを始めても、人によって進度の差が出ます。
これは能力の差だけではありません。
目標があるかないか、だと思います。
小さな目標を作って達成していくこと!
これが重要なのですが、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。
集中力がいる練習を取り入れる
たとえばピアノの発表会では、期限付きの目標があるので、練習はがんばっていると思います。
しかし、普段の練習ではどうでしょう?
多分生徒さんは、ピアノには触っていると思いますが、果たしてそれを練習といえるのかどうか…。
計算問題に置き換えてみましょう。
おそらく計算は「速く正確に解かなければならない」という刷り込みがあると思うのです。
なので、子供たちは鉛筆をカリカリ言わせて必死でがんばります。
ピアノの練習も、そういうところがないと進度が遅くなります。
数小節弾くのにものすごく時間がかかったり、楽譜通りに弾かなかったり、そういうことを繰り返していても、時間が無駄に過ぎるだけです。
30分練習しても苦痛しか残りません。
小さな目標を具体的に挙げてみます。
「メトロノームの速度を4上げる」
「ミスタッチは3回まで」
「この4小節を5分間徹底的に練習」
このように回数や時間を組み込んで、達成目標を作ります。
これは縛りのない「3回弾きましょう」や「20分弾きましょう」よりもはるかに効果があります。
なぜならば集中力がいる練習方法だからです。
しかもこれらはゲーム感覚でできるので、クリアしたときの喜びもあります。
幼いうちからこのような練習を取り入れていると、メキメキ上達するのは実証済みなので、親御さんは関心を持ってこのような練習に時々付き合ってください。
そして、できたときは褒めてあげてください。
また、ピアノの先生がピアノ教室でもこのような練習を取り入れると、良い結果が出ると思います。
表現の豊かさを常に心がける
今までが譜読みの話で、ここからは表現の話です。
まずある程度弾けるようにならないと、表現しようとする余裕がありません。
ただ単に音をなぞっているだけでは、本当のピアノの楽しさを知らないまま、ピアノから遠ざかることになってしまうでしょう。
表現できる力が付いた曲ならば「3回弾きましょう」や「20分弾きましょう」 が威力を発揮します。
ピアノ曲には様々な性格の曲があります。
例えばゲール作曲の『蝶々』や中田喜直作曲の『スピード自動車』、ギロック作曲の『金魚』などは、蝶々や自動車、金魚など、タイトルそのものの動きを表現した曲です。
ひらひら優雅に飛ぶ蝶々や、クラクションを鳴らして走る自動車、水槽の中をゆったり泳ぐ金魚を表現します。
また、湯山昭作曲の『いいことがありそう!』やショスタコーヴィチ作曲の『アクロバット』はウキウキしたりハラハラドキドキしたりする自分の感情を表現する作品です。
古典派のソナチネ・ソナタはオーケストラの色々な楽器を想像して表現します。
ワルツやタランテラなどの舞曲はそのステップや踊っている人の感情を表現します。
それぞれの気持ちになり、他の人に伝わるように表現を加えることが音楽の楽しさなのです。
発表会やコンクールだけではなく、普段のレッスンから積み上げていかなければならないと思います。
目標に期限を設ける
たとえば「〇月までにこのピアノ教本を終える」
これも算数のドリルのように、「全80ページなので、1日2~3ページすると1か月で終わる」という風に逆算していくのです。
15曲あるピアノ教本を1年で終わらせるためには、どうすればよいでしょうか?
1曲に1ヶ月かかっているとしたら、1年で12曲しか進みません。
つまり、3週間で合格しないといけない曲もあるということです。
のんびりダラダラやるのではなく、余裕のあるときは先の曲をコッソリ弾いてみてもよいのです。
十分に力が付いたとピアノの先生が判断されたときは、曲を飛ばす場合もあります。
その中にどうしても弾きたい曲があったり全曲制覇したいときは、その旨伝えればよいと思います。
集中力がいる練習をしていると教室レッスンでも成果がでる
私は家での練習よりも、ピアノの先生の前で弾く方が上手に弾けました。
きっと緊張感が集中力を高めたのだと思います。
母が「この曲も合格したの?」とびっくりしたことが何度もありました。
もしかしたらオマケ合格だったかもしれませんが、自分でも一応ちゃんと弾けたと思います。
おそらく、集中力がいる練習を続けていたから、先生の前で底力(そこぢから)が出たのでしょう。
クラブ活動をがんばっていた学生が受験体制に入ると、成績がグングン伸びるという話はよく聞きます。
クラブ活動で培った忍耐力や集中力が作用しているのです。
ピアノでも忍耐力や集中力は鍛えられます。
現に、超難関大学の学生はピアノを習っていた人が多いというデータがあります。
ピアノの練習は必ず何かの成果として現れると思います。
まとめ
集中力がないとできない練習を取り入れて、小さな目標を達成していきましょう。
譜読みが終わる頃から、豊かに表現するという練習になります。
それぞれの気持ちになり、他の人に伝わるように表現を加えることが音楽の楽しさです。
また、この教本を〇月までに終わらせるなど、期限を設けてがんばることも大切です。
ピアノでも忍耐力や集中力は鍛えられるので、 ピアノの練習は必ず何かの成果として現れると思います。
関連する他の記事はカテゴリー「ピアノの進度」からご覧ください。

子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。