ピアノ講師が途中でレッスン室を退席するとき
もう1ヶ月も同じ曲を弾いているのに、まだ同じところがつっかえる生徒さん。
うちの教室では、新しい曲を渡すときに片手ずつの初見をしてもらい、両手の宿題にしています。
時間がある時は両手での初見も見ますが、初見は結構できていたのです。
ところがレッスンでは2回目、3回目、4回目と進化しません。
間違える音や指使いには印を付けているし、特に怪しい4小節は「ここだけ練習」と赤字で書き込んでいます。
それでもいつも同じところかその前後で引っかかります。
右手ができても左手がダメ。
「もう、先生は注意をし尽くしたから、今から一人で練習しなさい!5分後に来ます。」
そんなときはこう言ってレッスン室を出ます。
一体どんな練習をするのかと、レッスン室の外で聞いていると、片手ずつ速く弾くばかりでした。
つまり、手に覚えこませようとしているのです。
おうちでの練習を垣間見ることができました。
5分後にレッスン室に入ってもう一度弾かせても、相変わらず間違えたり止まったりしています。
「ピアノの練習とは手に覚え込ませるのではなく、脳みそを使って頭に覚え込ませること」
このことを教えて、もう一度きちんと両手練習をしてもらいました。
仕上げの段階では手に覚えこませるような練習も有効ですが、まだまだの段階では良い練習ではありません。
私の恩師も途中で退席することがあり、一人で練習させられたこともありました。
その時間も5分や10分ではなく、30分以上に及ぶこともありました。
今は昔の懐かしい思い出です。
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。