一ノ瀬海とショパン国際ピアノコンクール「マズルカ賞」

ショパン国際ピアノコンクールでは1位から6位までの入賞の他に、ポロネーズ賞マズルカ賞コンチェルト賞ソナタ賞などが与えられます。これはその回によって受賞者がいない場合や、他の賞が追加される場合もあります。

今回はポロネーズ賞がパン・ウェイで、マズルカ、コンチェルト、ソナタの各賞は一ノ瀬海でした。

特にマズルカ賞を日本人が受賞したのは初めてというのは、驚くべきことでした。日本から出たことのない少年が、なぜマズルカを理解できたのでしょうか?

マズルカは、亡命ポーランド人として生きたショパンの日記のような作品です。ショパンは亡命先での苦悩する日々と交差する小さな幸せを、ポーランド農民の民族舞曲に乗せて世界に発信し続けました。銃を持って戦えない代わりに音楽で訴え続けたのです。

一ノ瀬海もまた、森の端(もりのはた)から逃亡し、自分の音楽を表現しようとしていました。時にはピエロの扮装で、時には女装をして…。しかし一ノ瀬海の心の奥にはいつも森の端での暮らしや母・怜子が支えになっています。そして何よりもピアノと過ごした森が。

帰れない祖国を想って作曲し続けたショパンと、同じく戻れない故郷を想って演奏し続けた一ノ瀬海は実は似ているのではないでしょうか?

コンクール中に彼は森の中でショパンを演奏するヒントを見つけます。それは自分にとっての森がショパンにとっては平地だったということです。

おそらく一ノ瀬海の演奏は森の中で上に上に高く登っていくイメージだったのに対して、ショパンは広い平地を横に横に大きく広がっていくイメージだったのではないかと思います。

それに気づいた彼はまた成長します。彼の演奏はポーランド人のみならず、世界中の人に感動を与えました。

ショパンの色々なジャンルの曲中にもマズルカが顔をのぞかせます。つまり、ショパンの作品にとってマズルカは不可欠で、マズルカ賞を受賞するということは特別に意味がある素晴らしいことなのです。

コンクールのナンバー賞(1,2,3位)よりも、マズルカ賞受賞は名誉あると言っても過言ではなく、逆に言うとマズルカ賞を取れるとナンバー賞に近づくと言えるでしょう。

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