ピアノ演奏に必要な分析力
生徒さんの中には大人顔負けの論理的な考え方をするお子さんがいます。
受験の前にやめてしまった生徒さんですが、ト音記号の『ト』とト長調の『ト』の関係について質問したのは、なんと小1の時です。
「先生、どちらも同じ『ト』だけど、どうして?」
忘れもしないのは『f、pp、mp、ff、mf、p』を音の弱いものから順に番号を付けてみて、という問題を出したときのこと。
一般的に『mf』は『やや強く』、『mp』は『やや弱く』と、まる覚えをしてしまいがちですが、その生徒さんは違いました。
少し前に『mp』の『m』を説明する時、『m』は『mezzo』の省略でイタリア語で『半分の』という意味であると教えたことをきちんと覚えていました。
『やや弱く』という言葉ももちろん言ったと思いますが、その生徒さんは『半分の』という言葉が印象に残ったようです。
「『mp』は『p』のパワーが半分になるっていうことだから…。」
とぶつぶつ言いながら考えて、『p』は『mp』より弱さが勝っているという結論にたどり着いたのです!
一見芸術家タイプではないように思えますが、実は音楽家に向いていると思います。
音楽には分析する力がとても大事だからです。
私はその生徒さんには、分析に重点をおいて教えるようにしました。
その後、かなり長い曲でもすぐに覚えて弾けるようになりました!
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子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。