あれこれ言うより一度頭を打って自分で気づくしかない~ピアノ発表会・ピアノ講師の長い一日
練習しないといけないというのはわかっていると思いますが、「後で」「そのうち」が慢性化して、どんどん麻痺していく生徒さん。
中学生になると、親の言うことは聞きません。
親御さんも、あれこれ言うより一度頭を打って自分で気づくしかない、という苦渋の結論にならざるを得ないのです。
私も同様で、厳しく声を荒げたところで本人のやる気が出るというものではないので、ある程度静観するのはやむを得ないと思っています。
その生徒さんは発表会の怖さというものがわかっていないような気がしていました。
暗譜の練習も私が言った通りにやっているけど、どこか甘い感じです。
はっきり言ってその生徒さんの演奏は「賭け」みたいなところがありました。
上手く行くかもしれないし、ボロボロになるかもしれません。
本番2週間前のリハーサルでは案の定ボロボロになりました。
演奏のスタートはなかなか良い感じでしたが、なんでもないところで引っかかって弾き直しをしました。
「おやおや、それくらいごまかさないと・・・」と思っていたら、またしばらくして弾き直しています。
つまり、ミスしてもごまかせるくらいの力量がないのです。
本人はもう、人前で弾いていることを忘れているようでした。
結局ご丁寧にミスタッチを全て弾き直して終了です。
生徒さんはバツの悪そうな顔をして、「どこをどう弾いたか覚えていない。」と言いました。
このことが功を奏して、やる気モードがさく裂しました。
もともとできる子です。
本番では立派に弾くことができました!
あれこれ言うより一度頭を打って自分で気づくしかないのかもしれないというのは当たっています。
子どもから大人までピアノ指導する傍ら、本サイト「ピアノサプリ」を開設し運営。【弾きたい!が見つかる】をコンセプトに、演奏効果の高いピアノ曲を1000曲以上、初心者~上級者までレベルごとに紹介。文章を書く趣味が高じて、ピアノファンタジー小説「ピアニーズ」をKindleにて出版。お仕事のお問い合わせはこちらからお願いします。