「貧乏人は音楽家にはなれないよ!」というきつ~いお言葉

この衝撃的な言葉は、今からウン年前某音楽大学の故名誉教授が仰ったものです。

この方は口が悪いので有名でしたが、あながち大げさではありません。

ピアノのお月謝は高いし、受験までには聴音や楽典の先生についたり、目指す音大の先生についたりと大変です。

私立の音大の授業料や入学金も医学部の次に高いと思います。

でもこれくらいはなんとかできる金額です。私の場合、実際に入学してみるとほとんどがうちと同じ普通の家庭でした。

ピアノに本当にお金がかかるのは、卒業した後なのです。

ピアニストとして演奏活動をするには、自分のコンサートのチケットを自分で売らなくてはいけないという現実があるからです。

名の通ったホールを使う場合、普通はマネジメントを通しますが、人件費、宣伝費など目に見えないお金が結構要り、一応そのお金がペイできる分のチケットを作るわけなので、かなりの金額になります。

「チケット何枚分を持つ」というのがマネジメントに払う分です。出演料は余分に頂いているチケットが売れた時の差額ということで、ほとんど赤字です。

公共施設をつかったとしても、チケットを売ると使用料も上がるのであまり関係ありません。

そのチケットは、親戚、友達、生徒さんに頭を下げて買ってもらいます。ピアノソロリサイタルで何百枚も普通に売れるはずはなく、値引きをしたりもします。

しかも本当に聴きに来て下さる方に買ってもらわないと、当日会場はガラガラになってしまいます。最後にはお父さんが会社の人にチケットを配って席を埋める、というのがよくあるパターンです。

芸能人のようにチケットぴあでチケットが売れていくというのは知名度の高い、山のてっぺんの方々です。

そこまで行くのに、実力と運と実績そして強力なバックアップがなければ無理だと思います。

普通、大学を卒業したら自立するべきところを、また親のすねをかじり続けるのが現状なのです。

ピアニストとして演奏活動をするには、精神面も肉体面も強くないといけないし、ましてやお金がかかるとなれば、音大を卒業しても敬遠してしまう人が多いのはうなずけます。

音楽の先生にはなれても音楽家となると、日本ではまだまだ厳しいです。

私がその昔ピアノコンチェルトのソロをした時のチケット代はぶっちゃけ60万円でした!一生懸命教える仕事をして払いましたが…。

今はコンチェルトはそういう理由で敬遠されるのでしょうね。

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