グリーグ作曲『抒情小曲集』より「蝶々」@解説

『抒情小曲集』より「蝶々」(グリーグ)

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抒情小曲集は1867年から1903年にかけて作曲された全66曲からなるピアノ曲集。6~8曲ごとにまとめられて出版され、全10集からなる。

「蝶々」は第3集 作品43の第1曲目である。ヨーロッパ各地への演奏旅行の合間に書かれたらしい。グリーグは友人との山歩きが気分転換になっていたということなので、そこで見た蝶々がヒントになったのかもしれない。

蝶々は美しく愛される存在である。この曲はサナギから成虫になった蝶々が春の花畑を優雅に飛んでいるイメージだ。蝶々は縄張りのようなものを持っていて、自分の口吻の長さに合った花を見つけているらしい。あちらこちら飛び回っても同じところに帰ってくる習性がある。

この曲の最初のフレーズがお気に入りの花の周りを飛んでいる情景としよう。しかしただ優雅に飛んでいるだけではない。食料を求めなければならないし、オスはメスを探して子孫も残さなければならない。天敵から身を守るのも大変なのである。この曲はそういうストーリーを想像しながら弾くと楽しい。

テクニック的にはアルペジオが苦ではない人には大丈夫だと思う。しかし、一歩間違えるとエチュード(練習曲)のようになってしまう。緊張感の後に緩和するというようにまとめると良いと思う。ただし、これは楽譜には指示がないので、個人のセンスが問われて難しい。