エチュードOP.25-5(ショパン)@解説

エチュードop.25-5(ショパン)

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ショパンのエチュードは合計27曲ある。作品10の12曲、作品25の12曲、そして3つの新練習曲である。

エチュードというのは練習曲という意味を持つが、ショパンのエチュードはただの練習曲に留まらないのはご存知の通り。リスト、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフらが彼の影響を受けて、見事なエチュードを作曲している。しかもいずれも12曲からなっている。

12という数字はJ.S.バッハの平均律の影響を受けているのは間違いない。ショパンも作品10で全調制覇を試みた形跡があるのだ。エチュードでは何かの理由で方向転換し、作品28の前奏曲でそれを成し遂げた。

この曲の楽譜を見ると右手は付点のリズム、左手は10度のアルペジオが並ぶ。食わず嫌いというか弾かず嫌いというか、やはりエチュードか、と思って敬遠してしまう。しかし思い切って弾いてみると、案外受け入れやすい。そして弾けば弾くほどこの曲に引き込まれるのである。

和音に所々不協和音が混じり、それは、絵の具で描かれたメロディラインが滲んでいるようだ。同じメロディーでも厚みや伴奏が変わったりして表情がどんどん変化していく。半終止の後、チェロを思わせるような美しい中間部が始まる。伴奏がどんどん細かくなり、再び初めのメロディーに受け継がれる。最後は一転して朗々と響き渡る。

作品25の5は音楽的内容の濃い隠れた名曲である。コンクールなどで選曲されることも多い。もしこの曲に「革命」や「黒鍵」などの標題が付いていたら、演奏会などでもっと取り上げられ有名になっていたに違いない。アニメ『四月は君の嘘』で日の目を見たのは嬉しかった。

楽譜は↓↓を使っています。
パデレフスキ版 ショパン全集 Ⅱ エチュード