エリーゼのために(ベートーヴェン)@解説

エリーゼのために(ベートーヴェン)

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ベートーヴェン作曲のバガテル。バガテルというのは「ちょっとした小品」という意味合いである。この「ちょっとした小品」が後にこれほど親しまれるとは、ベートーヴェン自身も思わなかっただろう。

曲名については、ベートーヴェンの字があまりにも乱雑で、彼の愛した「テレーゼ」が「エリーゼ」になってしまったという説が有力だが、「エリザベート」という歌手に捧げられたものではないかという説も浮上している。いずれにしても彼の周りにはエリーゼという女性はいなかったということがわかっている。

日本のピアノ練習者にとっては、『弾いてみたい曲』の常にベスト3に入る憧れの曲だ。しかし、初級の位置にされているのは、ちょっとレベルを低く見すぎだと思う。

彼の作品の中ではテクニック的には楽なのだが、いわゆるバイエルを修了した人がすぐに取り掛かれる曲ではない。私の独断と偏見なのだが、初級用の楽譜にこの曲を載せると楽譜が売れたのではないか?と思う。

ロンド形式で切なげな旋律が何回も現れる。この部分のテンポが重要である。時々発表会で、難しいところのテンポを無視してゆっくり弾いている人がいるが、そこまでして舞台で弾いてほしくない。曲全体を統一したテンポで弾けるには、年単位の期間が必要だと思う。

主旋律の間に挟み込まれる旋律は楽しい思い出だったり、激しい感情だったりとストーリーもわかりやすくて感情移入しやすい。ベートーヴェンの人生を垣間見たような気がするのも、人気の一因ではないかと思う。